臼歯部4ユニットジルコニアブリッジに荷重をかけた際,どのような応力が生じているのかをひずみゲージ法を用いて解析し,支台築造の種類によるブリッジフレームおよび歯根表面の挙動を検討した. レジン支台築造をRC群,鋳造支台築造をMC群とした.ジルコニアブリッジフレームを作製し,歯根及びフレーム表面の大臼歯近心舌側(ML)近心頬側(MB),小臼歯遠心頬側(PB)遠心舌側(PL)にロゼッタゲージを貼付し,200Nの荷重を加えた際のひずみ量を測定した.小臼歯,ポンティック,大臼歯を荷重したものをCP,CD,CMとした. 歯根,フレームのひずみは共にCPおよびCDがCMと比較して大きな値を示し,またCDはCPと比較し大きな値を示した.CPは,歯根最大主ひずみのMLとMB,フレーム最大主ひずみのPBとPL,歯根最小主ひずみの全てのゲージ位置でRC群がMC群と比較し大きな値を示した.CDは歯根最大主ひずみ,フレーム最大主ひずみ,歯根最小主ひずみのすべてのゲージ位置と,フレーム最小主ひずみのMBとPBにおいて,CMは,歯根最大主ひずみ,歯根最小主ひずみの全てのゲージ位置と,フレーム最大主ひずみ,フレーム最小主ひずみのMLとMBにおいてRC群がMC群と比較して大きな値を示した.荷重の部位に関わらず,歯根のひずみはPB及びPLはML及びMBと比較して有意に大きな値を示したが,フレームのひずみは荷重部位下に貼付されたゲージが非荷重部位下のゲージに比べて,大きな値を示し,CDの最大主ひずみはPLがMBに比べて大きな値を示し,他部位ではほぼ同じ値を示した. レジン支台築造を行った場合,鋳造支台築造を行った場合よりも表面ひずみが小臼歯,大臼歯ともに増加する傾向にあった.ジルコニアブリッジで補綴する際,レジン支台築造より鋳造支台築造の方が歯根およびフレーム表面のひずみを抑えることが可能であると示唆された.
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