本研究の目的は、研究代表者が先に確立したラットインプラント咬合モデルを用いて、インプラントに加わる咬合力によって起こる骨吸収のメカニズムに関与するたんぱく質を免疫組織化学的に検索し、将来の臨床的な骨吸収対策確立の端緒とすることである。今年度は昨年度に行った骨非吸収モデルと骨吸収モデルを比較するために個体数を増やすと共に、その結果から得られた特異的なタンパク質に焦点を当て、卵巣摘出を行ったラット(OVXラット)を用いて、コントロールラット(shamラット)と比較することも行った。その結果、ERαポジティブな細胞がshamラットに認められるのに対し、OVXラットではその発現が認められなかった。またOPGにポジティブな細胞および部位はshamラットで認められなかったのに対し、OVXラットでは認められた。In vitroにおける各種たんぱく質発現検索に関しては実験を行ったものの十分な結果が得られなかったため、今後は上記で得られた結果に焦点を当て、RNAおよびタンパク質の検索を継続する予定である。
|