今研究は,口腔内での義歯の挙動を明らかにし,義歯の機能時の力を考慮した補強構造を設計し破折や変形を防ぐことで長期に高いQOLを提供することを目的として,被験者の実際に口腔ににて義歯のひずみを計測した.その際に種々の補強構造を埋入した実験用義歯を製作し,ひずみの違いの検討をおこなった. その結果,計12人の被験者に対して行いすべての被験者の計測において歯槽頂上を走行する補強構造が最もひずみの抑制に有効であることが明らかとなった. この結果から,上顎全部床義歯またはオーバーデンチャーを使用する際には歯槽頂上を走行する補強構造を埋入することで義歯の破折および変形を防ぐことができると示唆された.
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