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2013 年度 実績報告書

小分子化合物を応用した感染応答性義歯床材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24792078
研究機関長崎大学

研究代表者

綿本 隆生  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60420444)

キーワード口腔細菌学 / バイオフィルム / カンジダ / 小分子化合物 / 抗真菌剤 / レジン床義歯
研究概要

抗真菌作用を有する新たな小分子化合物を探索するため,1280種の薬理活性を持つ小分子化合物ライブラリーあるLOPAC1280TMを用い,C. albicansに対する抗真菌性のスクリーニング検査を行った.その結果,C. albicansに対し抗真菌作用を有する35個の小分子化合物が検出された.そのうち26個は静菌的作用,9個は殺菌的作用を有し,中でもBay11-7082,Bay11-7085,Ellipticine,Sanguinarine,CV-3988は強い抗真菌作用を有しており,新たな抗真菌剤の候補として検出された.これら5個の小分子化合物に対し,「浮遊培養」,「付着培養」,「バイオフィルム培養」における抗真菌剤感受性テストを行った結果,「バイオフィルム培養」に対するMICは,Bay11-7082,Bay11-7085,Ellipticine,SanguinarineとCV-3988はそれぞれ1 mM,500 μM,62.5 μM,250 μMであった.
次に,ヒト歯肉線維芽細胞に与える影響を検討した結果,Bay 11-7082 とBay 11-7085,Ellipticine,Sanguinarine,CV-3988はそれぞれ15.6 μM,3.91 μM,1.95 μM,250 μM未満の濃度では細胞の増殖抑制を認めたが,細胞の死滅は認めなかった.したがって,250 μM未満のCV-3988がC. albicansに対し抗真菌作用を有し,ヒト線維芽細胞に対し毒性が低いことが示された.したがって,CV-3988を抗真菌剤として用い,義歯床用材料の作製を行った.ディスク拡散法により床用材料の抗真菌性を評価した結果,CV-3988を結合させない場合,発育阻止円は形成されず,結合させた場合,ディスクの端より2.0±0.2mmの発育阻止円が形成された.さらにディスクをEDTAに浸漬することにより,抗真菌作用は消失した.以上の結果より,この義歯床用材料は抗真菌性を任意に付与することが可能であり,義歯由来の口腔カンジダ症の予防および治療に貢献する可能性が示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Clinical Evaluation of Chlorine Dioxide for Disinfection of Dental Instruments after Use2013

    • 著者名/発表者名
      Takao Watamoto, Hiroshi Egusa, Takashi Sawase, Hirofumi Yatani.
    • 雑誌名

      International Journal of Prosthodontics

      巻: 26 ページ: 541-544

    • DOI

      10.11607/ijp.3465.

    • 査読あり
  • [学会発表] チタン合金へのマイクログルーブ付与は骨組織の形成を促進する2013

    • 著者名/発表者名
      綿本隆生,宮原健治,澤瀬 隆
    • 学会等名
      第43回公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会
    • 発表場所
      福岡市福岡国際会議場
    • 年月日
      20130913-20130915
  • [学会発表] 小分子化合物を応用した感染応答性義歯床材料の開発2013

    • 著者名/発表者名
      綿本隆生,江草宏,矢谷博文,澤瀬隆
    • 学会等名
      日本補綴歯科学会第122回学術大会
    • 発表場所
      福岡市福岡国際会議場
    • 年月日
      20130518-20130519

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公開日: 2015-05-28  

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