• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

脳血管障害患者における舌接触補助床の効果

研究課題

研究課題/領域番号 24792080
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 雅章  大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00508682)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード舌接触補助床 / 舌圧 / 嚥下障害 / 回復期リハビリテーション病院 / 補綴的リハビリテーション
研究概要

現在,我々は回復期リハビリテーション病院の脳血管障害患者の中で,口腔期における嚥下障害と診断された患者に対して,舌接触補助床(以下PAP)を製作して機能回復並びに補綴によるリハビリテーションを行っている.口腔期の嚥下障害の主な症状として,舌の送り込みができない(舌の機能障害)ことによる誤嚥がある,それに対してPAPを製作し,機能低下した舌の運動に調和する口蓋形態を付与することでスムーズな食物の送り込みを目指す.我々は舌腫瘍患者の嚥下障害に対してPAPの効果を実証しており,今回の血管障害患者の口腔期における嚥下障害に対しての効果も本研究で進めてきた.本研究では,回復期リハビリテーション病院と協力して行くにあたり,協力機関での倫理委員会を通す必要があり,その準備を引き続き進めている.また,研究とは別にPAPの適応患者において,治療として製作しその効果は数例ながら確認している.全津腫瘍患者の舌圧では切除部位・切除した大きさと関連が認められるのと違い,脳血管障害患者では嚥下舌圧の低下,順序性の不正が見られる.これらに対して,嚥下舌圧の増加と,順序性を考慮した口蓋形態のPAPを製作することをしているが,回復期という特殊性から病状は様々で,急激に回復しPAPが必要でなくなる方もいれば,継続的な装着が必要な方もおり,効果があったと考える人は1名に過ぎない.またPAPの適応であっても,使用感の問題や全身状態から適応除外となるケースも少なからず認め,歯科医師にかぎらず,医師,言語療法士,看護師も含めた総合的な対応が重要であることを実感している.今後当病院の倫理委員会の申請を通した後に,舌圧測定を行ってその経時的変化,またPAPによる効果を明らかにしていく予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

嚥下障害検査としてビデオ嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査などがあるが,これらは放射線を扱ったり,麻酔をした上で鼻腔から内視鏡を入れるなど患者への身体的負担が大きい.それに対して,舌圧測定は口蓋部にセンサシートを貼付すうのみで患者への身体的負担を伴わない.とはいえ,患者を対象にした研究であるがゆえ,倫理審査については当大学だけではなく,協力機関においても認められたものでなければいけない.本研究採択されてから,協力機関への倫理審査の準備をしていたが,準備に時間を要しているのが現状である.それとは平行に,PAPの適応と考えられる口腔期の嚥下障害を呈する患者に対してはその製作を行い,少なからずではあるが効果を確認している.

今後の研究の推進方策

1)データ収集の継続
引き続き、当病院におけるデータ収集を行う。対象者数を20名を目標とする。術直後、PAP製作時(装着、非装着)、PAP調整時(調整前、調整後)を月に1回、180日間まで計測する。
2)結果の分析
PAP製作後180日間調整・再評価を続ける.②客観的評価,③主観的評価により,PAP装着前・調整前よりも評価が上がったものをPAPの効果が認められた群,そうでないものを認められなかった群と分類する.効果が認められた群に見られる舌圧パタンと経時的変化を,効果が認められなかった群と比較する.
また,PAPの効果が認められた群と認められなかった群の違いをレトロスペクティブに解析する.さらに、PAPの効果を適切に判断するために,舌圧,手術術式,口腔内状況などを説明変数とした多変量解析を行い,舌腫瘍術後患者におけるPAPの効果に影響を与える因子について検討する。

次年度の研究費の使用計画

1)舌圧測定に使用する備品の購入
2)分析に係るソフトの購入
3)学会において研究結果の発表(学会参加費・旅費)
4)研究結果を論文にする為の諸経費

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 摂食・嚥下機能改善と装置の作り方超入門2013

    • 著者名/発表者名
      前田芳信,阪井丘芳,小野高裕,野原幹司,小谷泰子,堀一浩,山本雅章,中島純子,熊倉勇美
    • 総ページ数
      80
    • 出版者
      クインテッセンス出版

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi