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2012 年度 実施状況報告書

PET-CTによる5-HT神経系と睡眠時ブラキシズム発症メカニズムとの関連性解明

研究課題

研究課題/領域番号 24792085
研究機関岡山大学

研究代表者

黒井 隆太  岡山大学, 大学病院, 医員 (10610892)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード国際情報交換
研究概要

c-EMAの歯科領域への応用を目的として,その基礎的検討(実行可能性,妥当性の検証,妥当性の高い測定間隔)を行った。さらに,口腔インプラント埋入手術前後の疼痛・腫脹感の経時的変化をc-EMAシステムによりリアルタイムで計測し,それらに関連する因子の検討を行い,以下の結果を得た。
1.本研究で用いたc-EMAシステムは,歯科臨床に十分応用できることがわかった。2.平均疼痛・腫脹感折れ線グラフを描記することにより,口腔インプラント埋入手術後最大疼痛は4時間後,最大腫脹感は36時間後に発現することが明らかになった。3.口腔インプラント体の埋入手術後の総疼痛指数の多寡を最もよく説明した因子群は,全身疾患の有無,手術時間,前投薬の有無,埋入部位の骨質,術前不安,総腫脹感指数であった。これらの中で,全身疾患が認められること,手術時間が長いこと,埋入部位の骨質が軟らかいこと,総腫脹感指数が高いこと,前投薬を行わないこと,術前不安が低いことが総疼痛指数に有意に影響を及ぼしていた。4.口腔インプラント体の埋入手術後の総腫脹感指数の多寡を,最もよく説明した因子群は,総疼痛指数,全身疾患の有無,埋入部位の骨質,口腔インプラント体埋入本数,72時間までの消炎鎮痛剤服用数,年齢,鎮痛剤前投薬の有無,性別,術前不安であった。これらの中で,総疼痛指数が高いこと,全身疾患が認められないこと,骨質が軟らかくないことが,総腫脹感指数に有意に影響を及ぼしていた。
今後は,術後疼痛・腫脹感をコントロールするための重要な臨床上の知見を導くために,サンプル数をさらに増やして,より妥当性の高い統計解析モデルを得る必要があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平行し進行している研究を行っていたため、今後は岡山イノベーションセンター内の分子イメージング部門と共同して三叉神経運動核,縫線核部のSERT, 5-HT1A/2A受容体の局在測定を行っていく。

今後の研究の推進方策

(1)三叉神経運動核,縫線核部のSERT, 5-HT1A/2A受容体の局在測定方法の確立
雄SD系優性ラットにSERT, 5-HT1A/2A受容体を特異的に標識する分子プローベを注入する。すなわち,セロトニン神経終末上に存在しているSERTの標識には[11C]DASBを,セロトニン神経のオートレセプター(自己抑制受容体)である5-HT1A受容体の標識には[11C]WAY100635を用いる。併せて,三叉神経節後ニューロン上に存在し,非特異的陽イオンチャンネルを開き,陽イオンのシナプス内への流入を増加させることにより,過分極後の静止膜電位への回復を助長し,その結果運動神経の後シナプスのfiring感度が上昇するカスケードの開始点である5-HT2A受容体の標識には,[11C]NMSPを用いる。これら分子プローベは,岡山大学大学院に併設されている地域産学官共同研究拠点である岡山イノベーションセンター内の分子イメージング部門との共同研究にて行う。
これらポジトロンを放出するRIで標識したPETプローブ([11C]DASB, [11C]WAY100635, [11C]NMSP)をラット体内へ投与し,その分布を小動物用陽電子放出断層撮影(PET)カメラ(Clairvivo PET,島津製作所社製)により断層画像として得るとともに,小動物用 in vivo CTシステム(eXplore Locus,GE Healthcare社製)にてCT撮影を同時に行うことで,ラットの三叉神経運動核や縫線核部といった部位特異的なSERT, 5-HT1A/2A受容体の局在を解析する手法を確立する。なお,これらの機器は既に設置されており,PET-CTの撮影技術も他の小動物では確立されている。

次年度の研究費の使用計画

岡山イノベーションセンター使用料 550000円
分子(PET)プローベ作成料 450000円
動物実験消耗品(動物,飼料)850000円

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公開日: 2014-07-24  

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