歯周病は天然歯とインプラントの隣接面コンタクト(以後IC)の離開のリスク因子になると考えられるが,これを調査した報告はない.そこで,本研究では105名の患者に対し,歯周組織の状態とIC離開の関係について調査した.その結果,IC離開とIC調査時の全顎的歯周病の重症度には有意な相関があることが分かった(r=0.246,P=0.001).また,IC離開と食片圧入には有意な相関があることがわかった(r=0.344,P=0.01).これらの結果より,インプラントのメインテナンス時には,IC離開の有無と歯周組織の慎重な観察が必要であり,IC離開が認められたら,ICの回復を行う必要があることが示唆された.
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