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2013 年度 実績報告書

口腔乾燥状態が義歯装着者の義歯の維持力に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 24792107
研究機関昭和大学

研究代表者

中津 百江  昭和大学, 歯学部, 助教 (30514731)

キーワード義歯維持力 / 口腔保湿剤 / 全部床義歯
研究概要

I. 目的 われわれはチェアサイドで実際に患者が使用中の義歯維持力を測定可能なコンパクトな装置を開発した.本研究は,測定部位の違いが維持力に及ぼす影響を明らかにし,維持力の評価をする際の最適な部位および荷重方法を決定することを目的とした.
II. 方法 被験者は,インフォームドコンセントが得られた30名(平均80.2歳)の上顎無歯顎者とした.測定は牽引測定と加圧測定を行い,牽引測定は中心窩を結んだ線と正中線の交点(C),義歯後縁正中部(P),中心窩部(MF)とした.加圧測定は切縁の正中部(IM),頬側咬頭部(PC)とし,シーネの部分を開窓し人工歯部分を直接加圧した.全部床義歯に人工唾液を十分に塗布し,口腔内に手圧にて圧接後,一定の速度で維持力測定装置を用いて,牽引と加圧を行った.測定は各5回行い,義歯が離脱した時の荷重量を維持力とした.統計学的分析は三元配置分散分析,Tukeyの多重比較とPearsonの相関分析を用いた.
III. 結果と考察 C,MFでは約半数が測定不能となり不適切部位であった.P,IM,PCは全ての被検者で測定可能であった.各測定部位の維持力を比較すると,P(2.6±1.2 N)とIM(2.8±1.2 N)の間には有意差はなく,PC(4.5±2.6 N)はPとIMに比べ,有意に大きかった(p < 0.01).また,PとIMの間に有意な正の相関が認められた(r = 0.640,p < 0.01).PとPCの間にも有意な正の相関が認められた(r = 0.452,p < 0.05). 以上より,測定部位によっては維持力が過大で測定不能になるが,Pの牽引とIMの加圧は義歯の維持力測定に適した方法であることが明らかになった.また,義歯にシーネを用いずにIMを直接加圧した値がPでの維持力と相関していることから,IMで相対的な義歯維持力の測定が可能であることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 上顎全部床義歯の維持力測定における最適部位と荷重方法2014

    • 著者名/発表者名
      角田拓哉,佐藤裕二,北川 昇,中津百江,青柳佳奈,高山真里,小川貴正,椿田健介
    • 学会等名
      日本補綴歯科学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20140524-20140525
  • [学会発表] The measurement site was decided in newly developed chairside measuring system for denture retention

    • 著者名/発表者名
      Kakuda, T. , Sato, Y. , Kitagawa, N. , Nakatsu, M. , Aoyagi, K. , Ogawa, T. , Takayama, M. :
    • 学会等名
      the International College of Prosthodontists
    • 発表場所
      Turin

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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