研究課題/領域番号 |
24792108
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
田中 晋平 昭和大学, 歯学部, 講師 (40365705)
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キーワード | インプラント / ジルコニア / 表面性状 |
研究概要 |
1.ナノジルコニアの表面性状の最適値の決定(昨年度から継続) a. 表面親水性の解析:チタン表面の濡れ性(親水性)は初期細胞接着に大きな影響を与え,インプラント周囲の骨形成不全を予防することが知られている.ナノジルコニアでも同様の効果が得られるかについて検討し,より触媒効果の高い表面性状を検索する.具体的にはH2OのContact angle及びH2O滴下時のディスク上の表面積を測定し評価した. b. 有機物の除去率の解析:鏡面研磨面やRough surfaceに対して,光触媒効果による表面の有機物の分解能をXPSを用いたESCA(Electron microscopy for chemical analysis)で分析・評価した. 2.in vitroにおける骨形成細胞の生物学的検索(昨年度から継続):細胞の接着,増殖,分化は材料への親和性を図る上で非常に重要な意義を持つ.近年,チタンにおいて機械研磨面と粗造面上を比較すると,研磨面では骨芽細胞の接着,増殖が良好であるのに対し分化能が遅れるが,粗造面では接着・増殖は劣るが分化が促進される起こることが報告されている.これは,ナノジルコニアでも同様であることが予想されるため,ラット骨髄由来の骨芽細胞をナノジルコニア,チタン上で培養し以下の実験項目を行い,Rough surfaceおよび鏡面研磨加工による活性の違いを検索した. 3.in vivoにおける骨-インプラント結合能の解析(次年度継続予定):オッセオインテグレーション(骨―インプラント結合)能を生体力学的に評価することのできる除去トルク試験を行い,実際のインプラントの結合力を定量化する予定で現在継続中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成25年度にin vitroにおけるジルコニアインプラント表面性状の最適化を行い,その結果を基にin vivoの骨形成細胞の生物学的検索を行う予定であったが,ジルコニアインプラントの表面性状の最適化の過程における試行錯誤によりin vivoの骨形成細胞の生物学的検索および解析に遅延が生じたため,計画全体に遅れが生じた. 以上より,in vivoの骨形成細胞の生物学的検索および解析を次年度に順延して行うこととし,未使用額の次年度使用許諾を得るため,補助事業期間園長承認申請を行った.
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今後の研究の推進方策 |
in vivoにおける骨-インプラント結合能の解析:オッセオインテグレーション(骨―インプラント結合)能を生体力学的に評価することのできる除去トルク試験を行い,実際のインプラントの結合力を定量化する. a. 実験動物:ニホンシロウサギを用い,麻酔下にてインプラントの埋入術を行うこととする.術後には抗生剤,鎮痛剤を投与し,自由運動下にて飼育する.術後20日目より2日間にわたりテトラサイクリンを,術後40日目より2日間にわたり炭酸ソーダ溶液に溶解したカルセインを投与し骨にラベリングを行うこととする.術後15,30,60日目にエーテルの過量投与により安楽死させ,試験を行う. b. インプラント埋入術:インプラント埋入術における骨窩洞の形成には,インプラント手術用サージカルエンジンおよび手術用具(いずれも現有)を用いる.直径2.5mm,長さ6mmのスクリュー型インプラントを用い,チタンインプラント(Rough Surface)を埋入する群とナノジルコニアインプラント(Rough Surface)を埋入する群で比較検討を行う. c. 除去トルク値の計測:インプラントと骨のオッセオインテグレーションが破壊されるまでのトルク値を計測する. d. 骨―インプラント接触率の計測:脛骨からインプラント周囲組織を含めて切り出した試料を樹脂包埋後にVillanueva Bone Stain染色による切片とし,共晶点レーザー顕微鏡にて組織像のを取得する.さらに,解析ソフトImage Jを用い,骨とインプラントの接触率およびインプラント周囲骨周長辺りのテトラサイクリンおよびカルセインによる標識面の割合の計測を行う.また,試料の微少X線成分分析により既存骨および新生骨の成分を計測し,骨化度の指標とする.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度にin vitroにおけるジルコニアインプラント表面性状の最適化を行い,その結果を基にin vivoの骨形成細胞の生物学的検索を行う予定であったが,ジルコニアインプラントの表面性状の最適化の過程における試行錯誤によりin vivoの骨形成細胞の生物学的検索および解析に遅延が生じたため,計画全体に遅れが生じた. 以上より,in vivoの骨形成細胞の生物学的検索および解析を次年度に順延して行うこととし,未使用額の次年度使用許諾を得るため,補助事業期間園長承認申請を行った. in vivoの骨形成細胞の生物学的検索および解析を次年度に順延して行うこととし,未使用額の次年度使用許諾を得るため,補助事業期間園長承認申請を行い,未使用額はその経費に充てることとしたい..
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