研究課題/領域番号 |
24792115
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
添田 亮平 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (30615381)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
これまで、当講座の研究によりチューイングによりストレスが緩和することが明らかとなった。また、若年者における研究で、チューイング条件(速度、力、時間)がストレス緩和に影響を及ぼすことも明らかとした。さらに、咀嚼能率がストレス緩和に及ぼす影響も検討したところ、影響がないことが明らかとなった。今回、我々は義歯装着高齢者に着目し、チューイングがストレス緩和に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。ストレス緩和の検討には唾液中のコルチゾールとアミラーゼを使用する。この研究により、義歯装着高齢者においてチューイングとストレス緩和との関係が明らかになり、口腔内からのQOL向上に反映することができると考えている。チューイング条件に関する研究として、Influence of chewing condition on mental stress releaseという題材で9月6日にNetherlandsのRotterdamで行われた36th Annual Congress of the European Prosthodontic Associationで発表を行った。それにより、他の研究者の意見を伺うことや他の発表を参考にできた。具体的には、被験者の条件や、チューイングガムの性質や硬さおよび個人が持つ口腔内環境に関することである。特に、口腔内の環境の違いは若年者と違い、高齢者ではかなり個人差が認められるため、非常に重要な項目と成り得ることが推測される。それらを参考に、現在、被験者に対して引き続き実験を行っているところである。もう少し被験者数が集まった時点で学会発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度には、Influence of chewing condition on mental stress releaseという題材で9月6日にNetherlandsのRotterdamで行われた36th Annual Congress of the European Prosthodontic Associationで発表を行った。その時に、非常に参考となる意見が得られたため、被験者における面で研究に対するアプローチを変更することが必要となった。 主には、これまでに実験を行った結果のバラつきに関してである。高齢者は、若年者と比較してデータに個人差が大きいことは推測していたが、その理由として口腔内環境における個人差だけではなく、服用薬剤における個人差が理由として考えられた。高齢者は全身的な疾患に対して薬を服用していることが多く、特に内分泌ホルモンに影響があると考えられる薬を慢性的に服用していることも多い。今回、ストレス計測には唾液中コルチゾール濃度を使用しているので、その場合、研究結果にも影響を与えかねない。しかし、被験者の人数がある程度集まらないと評価できないので、今回は義歯が与える影響を検討する前に、高齢者における影響を検討しようと考えている。被験者に関しては、内分泌ホルモンに関して影響のある薬剤の服用を行っていない者に関して、口腔内の環境は特定せずに、被験者を義歯装着高齢者から高齢者に拡大することを考えている。現段階で、薬剤を含めて、データに影響の無い被験者にさらにこの条件を追加してデータの収集を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
昨年一年間を通して研究を行ったことから今後は、被験者を義歯装着高齢者から高齢者に拡大することを考えている。高齢者は全身的な疾患に対して薬を服用していることが多く、特に内分泌ホルモンに影響があると考えられる薬を慢性的に服用していることも多い。今回、ストレス計測には唾液中コルチゾール濃度を使用しているので、その場合、研究結果にも影響を与えかねない。しかし、被験者の人数がある程度集まらないと評価できないので、今回は義歯が与える影響を検討する前に、高齢者における影響を検討しようと考えている。被験者に関しては、内分泌ホルモンに関して影響のある薬剤の服用を行っていない者に関して、口腔内の環境は特定せずに、実験を行う予定である。また、口腔内環境に対する検査項目に関しては、前年度のものと同様に、咬合力と咬合接触面積とを参考にするので、特別な変化はない。咬合力接触面積を測定する機械でも咬合力に関して計測できるが最大咬合力に関しては、オクルーザルフォースメーターでないと計測できないので、前年度通りにする予定である。そのため、被験者に対しては検査項目が少し多くなるが、この検査項目をすべての被験者に対して行い、もう少し人数を追加していく。その上で、秋に行われるInternational College of Prosthodontistsで発表を行う予定である。その学会で得られるであろう貴重な意見を参考にさらに推考を重ねたものを、論文発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験に対する検査費用に使用予定である。主には、唾液中コルチゾール濃度の測定とアミラーゼ活性の測定、また咬合状態の測定に用いる検査キットにかかる予定である。コルチゾール濃度の測定にはサリベッテを用いるため、その費用が必要となる。アミラーゼの計測には、アミラーゼ活性モニター専用チップが必要となる。咬合接触面積に関しては、デンタルプレスケール用の測定チップが必要となる。また最大咬合力に関しても計測予定のため、咬合力計測器オクルーザルフォースメーターのチップにも使用予定である。現時点では、使用予定はないが、咀嚼筋の筋活動に関しても計測しているので、その計測機器の不具合がおきた場合はその修理にかかる費用や、使用する咬筋相当部に貼る計測用のチップの購入等にかかる費用にあてる予定である。その実験から得られるデータに対して統計処理を行い学会発表を行う予定である。 9月18日にItaliaのTorinoで行われるInternational College of Prosthodontistsで発表を行う予定である。そのため、それに関してかかる学会参加費用や、ポスター作成理非用に使用予定である。 さらに、学会で得られるであろう貴重な意見を参考にして、論文発表する予定である。現段階の予定としては、Journal of Oral Rehabilitationに投稿予定であるが、その時の投稿料や翻訳の確認費用に使用予定である。
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