研究課題
本研究課題の目的である脳の高次機能ネットワークの視点から咬合不全による脳のストレス関連ネットワークと咬合医療を用いた精神機能障害の治療を社会にアピールすることの基礎データとして、各歯種の役割を脳機能の観点より光トポグラフィ(NIRS)を用いて検討した結果、大脳皮質の一次感覚野における脳活動範囲が他の歯種と比較して上下顎とも第一大臼歯が特異的に大きいことが分かり、第一大臼歯の感覚入力が他の歯種と比較して感受性が高いことが示された。さらに、以前より磁気共鳴機能画像(fMRI)法の実験より明らかとなっていた咬合不全とストレス関連脳部位との関連性を、前頭前野に着目しNIRSを用いて脳活動を計測することでより簡便に咬合不全の状態が客観的に調査可能であることが示された。以上のことより、口腔からのモダリティ情報が咀嚼器官と脳のストレスのクロストークに重要な役割を果たしている可能性が示唆され、実際臨床を行う上で大きな指標の一助となると考えられた。NIRSは他のニューロイメージング技術(fMRI、PET、MEG等)と比較し、撮像手法が容易で撮像時被験者の体勢も自由度が高い(ある程度の体動も許容される)ため、今後実際の臨床現場における臨床応用が期待される手法である。また、咬合異常によるストレス状態を脳の機能回路の賦活化でとらえ、個々人によって異なるストレス状態の客観的事実と個人が主訴する心理生理学事実を世界に先駆けてシステム的に解明することは、ヘルス・プロモーションに果たす口腔器官の役割を日本発の情報として国外に発信する上で社会的に大きな意義が有ると考えられる。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
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