研究課題/領域番号 |
24792132
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
作山 葵 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (10543340)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | BP / 動物実験 / ウサギ / インプラント / BRONJ / 顎骨壊死 / 骨髄炎 |
研究概要 |
近年、骨粗鬆症の予防や癌の骨転移を防ぐ目的でビスフォスフォネート薬(以下BP薬)を経口もしくは静脈内投与している患者が急増しており、BP薬が抜歯などの外科手術の際に顎骨に影響をおよぼしていることが多く報告されている。しかし、インプラントの手術もしくは予後にどのような影響をおよぼしているかの報告はほとんどない。 埋入しインテグレーションしたインプラントがBP薬を投与することで、インプラント周囲のインテグレーションの状態の変化や顎骨にどのように影響するのかを観察することを目的として実験を開始した。実験には日本白色種ウサギ(メス)を用いた。 今までウサギの歯は、抜歯が難しいとされてきた。その理由に、①根尖より抜歯しなければ再度、歯がはえつずけてしまうので根尖より抜歯しなければならないこと②歯冠長が長く抜歯が難しいということ③歯がもろく途中で折れてしまうリスクがあるということである。これらの理由から、現在、通常のインプラント体を動物に行う際は、イヌやサルなどの大型の動物を使用するか、またはラットの頭蓋や大腿骨にミニュチュアのインプラントを製作し使用するという実験が通法であった。今回、ウサギの臼歯を抜歯することが可能になったことで、大型動物でなくても顎骨にインプラントが埋入できるようになった。インプラントを通常の顎骨内へ埋入できるようになったことで、より通常に近い状態のインプラントを観察できるようになった。下顎左側臼歯部を全て抜歯し、抜歯窩治癒後にインプラントを埋入した。また、大腿骨と顎骨の差異を検討するために、大腿骨にもインプラントを埋入した。インプラントのインテグレーション後に、BP薬を静脈内より投与した。BP薬を投与しないものをコントロール群とした。現在、BP薬を投与し経過観察中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、実験の進行状況が遅れている理由の一つに、見積もっていたよりもインプラント体等のコストが高く予算的に厳しかったこと。また2つ目の理由に、ウサギの臼歯の抜歯の方法の確立が難しく、途中で折れてしまい抜歯に何度か時間を要したことである。
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今後の研究の推進方策 |
現在、経過観察しているウサギを屠殺しマイクロCTによりインプラント体周囲の骨の変化を放射線学的に評価する。また、標本にし組織学的にも評価し実験群とコントロール群のインプラント体周囲の差異や骨壊死のリスク等も検討する。 静脈内投与に関しては行っているが、経口投与に関してはまだ行っていないので静脈内投与との違いやリスク等も含めて放射線学的評価と組織学的評価を行う。また、それと同時にウサギの骨粗鬆症モデルを作製する予定である。今後、骨粗鬆症モデルのウサギにもインプラントを埋入し、BP薬の静脈内投与と経口投与を行い放射線学的評価と組織学的評価を行うことを計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
医薬品等の消耗品の購入、学会発表の旅費等に使用する。
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