本研究では,生体材料として広く使用されているチタンを用いて,動物実験用チタンインプラントを作製し,インプラント表面にマイクロアーク酸化により酸化チタン膜を作製し,さらに酸化チタン膜を電気分極により表面改質を行い,その生体に及ぼす影響を検討した.作製したチタンインプラントを日本白色家兎の左右大腿骨内側上顆に埋入し,4,6,12週間後に周囲組織を含むインプラントを摘出し,生体内評価を行ったところ,インプラントの安定性の向上や,インプラント-骨接触率の向上が認められた.本表面改質法は,インプラント表面に新たな物質を追加することなく,骨形成を促進することから,幅広く臨床応用可能であることが示された.
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