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2012 年度 実施状況報告書

Muse細胞を用いた早期成熟骨再生法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24792145
研究機関長崎大学

研究代表者

田島 暢崇  長崎大学, 大学病院, 助教 (00447492)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード骨再生医療
研究概要

近年、上顎洞底挙上術やGuided Bone Regeneration(GBR)などの骨造成術の発展とともにデンタルプラントの適応が拡大し、咀嚼障害に苦しむ患者の大きな福音となってきた。しかし、骨造成術を行った場合、骨の成熟まで長い治癒期間を要し、治療完了までの期間短縮が大きな課題となっている。本研究では、stress に強く、骨芽細胞系、血管内皮細胞系の両方に分化することができるMultilineage-differentiating Stress Enduring cells(Muse cells)と自己フィブリンゲルを用いた、骨の成熟期間を短縮し、かつ予知性が高い骨再生法の開発を目的とした。まずわれわれは、歯根膜組織からMuse cellsの分離をこころみて実験を開始した。ヒト歯根膜組織より、酵素処理を用いてPDLCsを単離し、10%FBS添加DMEMで培養を行い、semi-confluentに達したのちに継代し以後の実験に使用した。まず酸素吸収剤を用いて酸素濃度0.1%以下、炭酸ガス濃度5%以上の環境をつくりだし、かつlow glucoseの条件で培養を行い、通常の酸素濃度でかつlow glucoseまたはnonlow glucoseの条件で培養した群との比較検討を行った。その結果, 酸素濃度0.1%かつlow glucoseの条件で培養することで、細胞が完全には死滅せずに効率よくStro-1陽性細胞が得られることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究計画では24年度に本研究ではMuse cells の分離と、in vitro での骨芽細胞系、血管内皮細胞系を含めた多方面への分化能の確認。さらにMuse/fibrin gel 複合体のin vivoでの移植実験を計画していたが、現時点でヒト歯根膜細胞より分離した細胞を、酸素濃度0.1%かつlow glucoseの条件で培養することで、細胞が完全には死滅せずに効率よくStro-1陽性細胞が得られることが示唆されているものの、Muse cells を分離するための完全な条件設定を確立するにはいたっていない。

今後の研究の推進方策

ヒト歯根膜より分離した細胞を、酸素濃度0.1%かつlow glucoseの条件で培養し得られる細胞群の性質を同定する必要があると思われる。Flow cytometry分析によりCD271, CD146, CD105, CD90等の発現を検索する。また、分離した細胞の多能性の確認を行うために、骨分化用培地、軟骨分化用培地、脂肪分化用培地でそれぞれ培養し、alkaline phosphatase activity,osteocalcine collagen type II 、aggrecan 測定 PPARγ,lipoprotein lipase 測定を行う。またMuse cellsはmethylcellulose培地で浮遊培養を行うことで、cell cluster を形成するため、分離した培養群でも同様にcell clusterを形成するか確認を行う。それによりMuse cellsまたはそれに近い性質の細胞群を分離培養する方法が確立された後in vivoでの移植実験へ移行していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

研究費としてはFlow cytometry分析,alkaline phosphatase activity,osteocalcine collagen type II 、aggrecan 測定 PPARγ,lipoprotein lipase測定等の実験用試薬と細胞培養用の試薬が必要となる。その他in vivoではウサギを用いての実験を行う予定であり、実験動物費用および手術用試薬、組織切片用備品等が必要と思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of sinus floor augmentation with simultaneous implant placement using platelet-rich fibrin as sole grafting material.2013

    • 著者名/発表者名
      Tajima N, Ohba S, Sawase T, Asahina I.
    • 雑誌名

      Int J Oral Maxillofac Implants

      巻: 28 ページ: 77-83

    • DOI

      doi: 10.11607/jomi.2613.

    • 査読あり
  • [学会発表] Evaluation of sinus floor augmentation with simultaneous implant placement using autologous fibrin clot in concentrated growth factors (CGF) as sole grafting material.2012

    • 著者名/発表者名
      Tajima N, Ohba S, Sawase T, Asahina I
    • 学会等名
      20th Annual Scientific Meeting of the European Association of Osseointegration
    • 発表場所
      Denmark
    • 年月日
      20121010-20121013

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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