我々は以前に歯根膜組織由来の血管構築能を有する幹細胞を樹立し報告した。この幹細胞が複数の造血幹細胞マーカーを発現し三次元培養によって構築した血管管腔内においてエオジン好染の血球様細胞を誘導することを見出した。そこで、このヘマンジオブラスト様の幹細胞の誘導に関わるキー遺伝子を特定するためにマイクロアレイ解析を行い、一つの転写因子を選定した。その転写因子のアデノウィルスベクターを作成し歯根膜細胞に投与した所、血管新生能および血球細胞誘導能の顕著な増加を認めた。さらに造血幹細胞マーカー遺伝子の発現上昇も確認した。これにより、ヘマンジオブラスト様幹細胞誘導に関わるキー遺伝子の特定に成功した。
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