研究課題
本研究では、間葉系幹細胞を用いた歯牙硬組織の再生療法の確立を目指してきた。接着培養により培養可能な間葉系幹細胞は増殖能力はあるが、限界がある。また、接着環境下での培養では、分化が進むなど細胞の性質が変わるという性質がある。歯胚再生においても間葉系幹細胞の培養は必須となるが、当初予想していたよりもはるかに間葉系幹細胞の未分化性を維持することが難しく、歯胚再生を実現するには至っていない。しかしながら現在、間葉系幹細胞の未分化性を長期的に維持でき、かつ間葉系幹細胞集団の3次元構造を獲得できる新たな培養法が確立できる段階にある。また同時に、iPS細胞に特異的な遺伝子を導入することで、歯原性間葉細胞を誘導する方法を試みており、良好な結果を得ている。当初の実験計画を進めていくことで、新たな課題にぶつかり、その問題をあらゆる方面から1つずつ解決しながら着実にゴールへと進んでいる。本申請は、昨年度に申請者の所属機関が変わることにより、実験計画から遅れる形となったが、間葉系幹細胞及びiPS細胞を用いることで、本申請の目的である歯胚再生まで目前に迫る結果を得ていると考えている。
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J Dent Res
巻: 95(2) ページ: 215-222
10.1177/0022034515610748
PloS One
巻: 10(12) ページ: e0145677
10.1371/journal.pone.0145677