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2014 年度 実績報告書

歯周病原性菌の付着によるチタン合金の初期腐食評価

研究課題

研究課題/領域番号 24792154
研究機関東京歯科大学

研究代表者

武本 真治  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70366178)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード硫化物 / 腐食 / 変色 / 表面分析 / XPS
研究実績の概要

歯科インプラントのフィクスチャーが脱離する原因の1つであるインプラント周囲炎に着目し、フィクスチャー(チタン合金)の局部的腐食機序の解明を試みた。本年度は、硫化物の濃度によるチタンの腐食挙動と歯周病原性細菌(P.gingivaris)の培養によるチタン合金の腐食挙動をin vitro試験により評価した。
0.013M、0.05M、0.10Mの硫化ナトリウムを含む溶液(MQS)に純チタンを浸漬し、1、3、7日間静置した。浸漬前後の色彩から変色度、走査型電子顕微鏡(SEM)による表面観察、X線光電子分光分析(XPS)による表面化学状態を調べた。参照試料として、硫化ナトリウムを含んでいない超純水(MQ)中でも同様に各項目を調べた。
MQに浸漬したチタンは7日浸漬しても色差は1.5以下であり変色が認めれなかったが、MQSに浸漬したチタンは浸漬時間が長くなるにしたがって色差が大きくなった。硫化物の濃度は高い方が変色程度が大きくなることが明らかになった。SEM観察から、MQSに浸漬したチタンはわずかに粗造になっていたが、明確な局部腐食や全面腐食は認められなかった。XPS分析によると、MQSに浸漬したチタンでは色差が大きくなり変色が進行するにしたがって、Ti2pスペクトルでは金属由来のピークが減少し、酸化物由来のピークのみとなった。
これらのことから、硫化物濃度および浸漬時間によって純チタンの変色は異なり、その酸化反応による酸化膜の生成が変色の原因であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Rapid Screening of Mineralization Capacity of Biomaterials by Means of Quantification of Enzymatically Deposited Calcium Phosphate2014

    • 著者名/発表者名
      Arnold W.G. Nijhuis, Shinji Takemoto, Reza M. Nejadnik, Yubao Li, Xia Yang, Dmitri A. Ossipov, Jons Hilborn, Antonios G. Mikos, Masao Yoshinari, John A. Jansen, Sander C.G. Leeuwenburgh
    • 雑誌名

      Tissue Engineering Part C Methods

      巻: 20 ページ: 838-850

    • DOI

      10.1089/ten.TEC.2013.0334

    • 査読あり
  • [学会発表] Discoloration of Titanium Alloys by Sulfide Alkaline Solution2015

    • 著者名/発表者名
      Shinji Takemoto, Masao Yoshinari, Yutaka Oda, Eiji Kawada
    • 学会等名
      93th General Session & Exhibition of the IADR
    • 発表場所
      Boston, MA, USA
    • 年月日
      2015-03-10 – 2015-03-14
  • [学会発表] 硫化物を含む溶液中で変色したチタンの表面分析2014

    • 著者名/発表者名
      武本真治、原田麗乃、染谷智子、田中健介、市川弘道、愛知哲也、小田豊、河田英司
    • 学会等名
      第63回日本歯科理工学会学術講演会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2014-10-04 – 2014-10-05
  • [学会発表] Surface Characterization of Sulfide-induced Corrosion of Titanium2014

    • 著者名/発表者名
      Shinji Takemoto, Masayuki Hattori, Masao Yoshinari, Eiji Kawada and Yutaka Oda
    • 学会等名
      15th IUMRS-ICA (International Union of Materials Research Societies, International Conference in Asia)
    • 発表場所
      Fukuoka, Japan
    • 年月日
      2014-08-24 – 2014-08-30

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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