研究課題
α-TCP、人工コラーゲンそしてポリ乳酸などの新規骨置換材料をインプラント体と同時に抜歯即時埋入し、骨再生医療のトランスセクショナルリサーチとして、最終的には臨床応用を目指すことを目的としている。24年度において、ラット頭蓋骨欠損モデルに新規骨補填材料の一つであるα-TCPとコラーゲンの複合体材料を作製し、α-TCPとアテロコラーゲンの複合体(α-TCP/CS群)、ならびにアテロコラーゲン単独(CS群)の2群を実験群、欠損のみの群を対照群とし頭蓋冠骨欠損部に移植した。移植後4週、6週で頭蓋冠を摘出しμCTと骨質計測システムによるX線学的評価、およびヘマトキシリンエオジン染色による病理組織学的評価を行った。移植後4週では対照群とCS群でLow値を示し、α-TCP/CS群でMedium値を示すBMD分布像を観察し、μCT像では窩洞を埋める多くの硬組織像を観察した。骨体積率、骨塩量ではα-TCP/CS群が最も高い値を示した。病理組織学的評価は移植後4週ではα-TCP/CS群でα-TCP顆粒を囲む新生骨が観察できた。移植後6週では、対照群でわずかな新生骨が観察できた。α-TCP/CS群ではα-TCP顆粒は吸収され伝導性骨に置換し、既存骨と自然移行している様相が観察された。以上の結果から、アテロコラーゲンとα-TCPを複合化することで骨再生能が高くなることが明らかとなり2013年のOrthodontic Waves誌72巻1号P.23-29に掲載した.25年度においては、新規である小型インプラントを製作し、ビーグル成犬雄2歳を用いて下顎小臼歯抜歯後、ポリ乳酸とインプラント体とを一体化した支持型新規スキャホールドの抜歯即時埋入を行った。コントロール群をインプラントのみとし現在、6週,12週における治癒待ちである。X線学的および病理組織学的評価を行い発表論文作成予定である。
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Journal of Oral Tissue Engineering
巻: 11 ページ: 57-66