研究課題/領域番号 |
24792190
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小玉 直樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (90572355)
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キーワード | 歯槽骨再生 / ゼラチンハイドロゲル / FGF-2 |
研究概要 |
ゼラチンハイドロゲルを用いたFGF-2徐放システムによる歯槽骨再生の至適条件を決定した。平成24年度に施行したddYマウスの実証実験から10μgのFGF-2を7日間かけて徐放することで効果的な歯槽骨の再生が生じ、一連の再生現象が組織学的に約4週間で終息することが確認された。徐放開始7日目には骨原性細胞の指標であるアルカリフォスファターゼ陽性細胞の有意な増殖がみられ、14日目には化骨の形成、28日目には新生した皮質骨が確認された。この段階で骨原性細胞の数と増殖活性は投与前の水準に戻り、28日間で一連の骨再生現象が終息することが示された。なお、この骨再生過程において、骨原性細胞の多くはFGFR受容体陽性であり、FGF-2の刺激により増殖・活性化され、その結果骨再生現象が生じることが示唆された。また、これによりFGF-2の至適投与間隔が28日間であることが推察され、反復投与により実用に耐える量の歯槽骨再生が生じることを実験計画に沿って検証する。当該研究では引き続きddYマウスの実験系を使用し、本年度では反復投与により骨再生量が増加することを実証すること、単回投与と同様に組織学的な検証を加えて考察することを予定している。 このような、組織採取や細胞培養を必用としない簡便な方法で確実な骨再生をもたらすシステムの臨床応用はいまだ例が無く、可能になれば歯科インプラント症例の適応拡大や唇顎口蓋裂治療における骨移植の代替など患者が受ける利益はきわめて大きい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
FGF-2試適投与間隔の検証にエフォートを要した。そのため、実験計画がやや遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
申請した計画に沿って研究を遂行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
FGF-2蛋白などの高額な実験材料の調達費用が抑えられたこと。実験計画が遅延していることにより次年度使用額が生じた。 FGF-2蛋白や分子生物学的な解析に必要な物品を予定通り購入する。
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