• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌に対するAMPK活性化薬剤の抗腫瘍効果に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24792193
研究機関金沢大学

研究代表者

加藤 広禄  金沢大学, 大学病院, 講師 (30444201)

キーワード口腔癌 / アポトーシス / 浸潤・転移 / AMPK
研究概要

まずは実際にアポトーシスが誘導されているかをApoptosis Detection Kitを用いて検討した。その結果、投与24時間後には顕著にアポトーシスが起こり、48時間後には多くの癌細胞がアポトーシスを起こしていることが確認できた。
そこでAICAR投与によるアポトーシスや増殖に関連する遺伝子の発現を検討した結果、細胞増殖に大きく関わっているとされているAkt/mTOR経路においては、Akt1、Akt3ならびにmTORのmRNAの発現が減弱していた。また、アポトーシスに関連しているp53/p21経路においては、p53ならびにp21のmRNAの発現が増強していた。
タンパク質発現の変動をWestern Blot法を用いて検討した結果、AMPKα、Phospho-AMPKαともに経時的に発現量の増加を認め、AMPKαのリン酸化に伴い、mTORのリン酸化タンパクの発現減弱を認め、p53ならびにp21タンパクの発現増加を認めた。さらに、経時的なp53の増加ならびにPCNAの減弱を認めた。このことより、AICARが口腔扁平上皮癌細胞株のアポトーシスを誘導するように働き、細胞増殖活性を抑制するように働いていることが示唆された。
浸潤に対する効果を検討するためInvasion assay法にて癌浸潤に対する効果を検討した。その結果、AICAR投与群では有意に癌浸潤抑制効果が確認できた。ゼラチンザイモグラフィーによるMMPsの発現を検討した結果、pro-MMP-2の発現減弱を認めた。さらにAMPK familiyの一つでありMMPの産生亢進を誘導しているとされているARK5の経時的mRNA発現減弱を認めた。
以上の結果より、AMPK活性化薬剤であるAICARの投与により癌細胞はアポトーシスを起こし、癌細胞増殖抑制効果ならびに浸潤抑制効果においても確認できた。これはAkt/mTOR経路の抑制だけでなく、アポトーシスに関わっているp53/p21経路の活性化により増殖抑制を抑制していると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるCaveolin-1発現に関する免疫組織化学的検討2013

    • 著者名/発表者名
      加藤広禄、平井真理子、加藤阿希、木村依世、柳瀬瑞希、杉浦史郎、岡宗絢子、北原寛子、野口夏代、吉澤邦夫、中村博幸、川尻秀一
    • 学会等名
      第58回(公社)日本口腔外科学会総会・学術大会
    • 発表場所
      福岡マリンメッセ(福岡)
    • 年月日
      20131011-20131013
  • [学会発表] 口腔扁平上皮がん浸潤様式4D型におけるがん悪性化に関わる各遺伝子発現についての検討2013

    • 著者名/発表者名
      吉澤邦夫、北原寛子、野口夏代、加藤広禄、中村博幸、川尻秀一
    • 学会等名
      第37回日本頭頚部癌学会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京)
    • 年月日
      20130613-20130614
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるVEGF-AおよびVEGF-C発現の免疫組織学的検討2013

    • 著者名/発表者名
      柳瀬瑞希、加藤広禄、野口夏代、吉澤邦夫、北原寛子、川尻秀一
    • 学会等名
      第67回日本口腔科学会学術集会
    • 発表場所
      栃木県総合文化センター(栃木)
    • 年月日
      20130522-20130524

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi