研究課題
未分化hiPS細胞株201B7から胚様体(EB)を形成後、EBを接着培養した。接着したEBから増殖した細胞を酵素処理により単一細胞に解離させ、さらに単層培養を行った。1週間の単層培養後、細胞を回収してペレット培養を行い、軟骨分化誘導培地へのCNP添加群/非添加群について比較を行った。3週間のペレット培養後、ペレット内のhiPS細胞は軟骨細胞様の形態を示し、ペレット全体がアルシアンブルーで濃染した。免疫染色により、II型コラーゲン、アグリカンの発現を認めた。また、軟骨分化誘導初期よりCNPならびにGC-B遺伝子の発現を認めており、ペレット培養開始後経時的にII型コラーゲンとアグリカンの遺伝子発現の増加を認めた。CNP非添加群と比較し、添加群ではII型コラーゲン、アグリカンともに遺伝子発現及び免疫染色における蛋白発現の増加傾向を示した。経時的なグリコサミノグリカン産生の増加傾向も認めた。CNP添加によりhiPS細胞から軟骨細胞への分化が促進される傾向を認めた。ヒト軟骨細胞におけるCNPの効果についてはほとんど報告がないが、今回の検討によりhiPSCから軟骨細胞への分化過程においてもCNPが促進作用を有する可能性が示唆された。また、軟骨無形成症患者由来の疾患特異的iPS細胞株Ach-a1においても、4段階からなる分化誘導法を用いることで、間葉系前駆細胞を介した軟骨細胞分化誘導が可能であった。
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