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2014 年度 実績報告書

ミトコンドリアをターゲットとした口腔癌新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24792209
研究機関神戸大学

研究代表者

長谷川 巧実  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50546497)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード炭酸ガス / 低酸素 / 扁平上皮癌
研究実績の概要

本研究においては、癌細胞に対し局所的炭酸ガス投与を行い、細胞内ミトコンドリア量を増加させ、ミトコンドリアのアポトーシス経路を活性化させることにより、癌細胞のアポトーシスへの誘導を証明、解析することを目的とした。
in vivoでの検討で、ヒト口腔扁平上皮癌由来細胞(HSC-3)を継代培養し、Nude Mouse背部に皮下移植した。CO2実験群とコントロール群に分け、開発したCO2吸収ゲルとCO2投与装置を用いて、週2回、投与時間20分で経皮的CO2投与を開始、移植28日後まで各回の腫瘍体積を評価した。実験終了後、腫瘍を採取した。採取した組織よりRNA、タンパク質抽出を行い、Real-tami PCR法、Western blot法を用いて、ミトコンドリア経路のアポトーシスの解析を行った。また、凍結組織切片を作製し、各組織学的解析を行った。
コントロール群と比較し、炭酸ガス投与群において、腫瘍体積の増殖抑制効果が認められ、副作用として体重減少の有無を比較したが、両群において有意な差は認められなかった。また、炭酸ガス投与群において、ミトコンドリア経路のアポトーシス関連因子であCaspase-3,9、PARPの増加を確認した。アポトーシス発現に関連するミトコンドリア量の調節因子であるPGC-1α、TFAMの上昇を、また転移抑制因子であるMMP2,9やVEGFの減少を認めた。腋下リンパ節への転移の評価を行ったところ、コントロール群では55.6%、炭酸ガス投与群では12.5%の腋下リンパ節転移が確認され、転移抑制傾向が認められた。
以上より、われわれの開発した局所的炭酸ガス投与法は、口腔扁平上皮癌細胞において、ミトコンドリア経路に関連したアポトーシスの発現による、腫瘍の増殖抑制および転移抑制効果を認めることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Transcutaneous carbon dioxide induces mitochondrial apoptosis and suppresses metastasis of oral squamous cell carcinoma in vivo.2014

    • 著者名/発表者名
      Takeda D, Hasegawa T, Ueha T, Imai Y, Sakakibara A, Minoda M, Kawamoto T, Minamikawa T, Shibuya Y, Akisue T, Sakai Y, Kurosaka M, Komori T.
    • 雑誌名

      PLoS One.

      巻: 9 ページ: e100530

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0100530.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ミトコンドリア経路に関連した口腔癌新規治療法の開発2014

    • 著者名/発表者名
      武田大介、長谷川巧実、今井佑輔、榊原晶子、明石昌也、南川 勉、渋谷恭之、古森孝英
    • 学会等名
      第59回日本口腔外科学会総会・学術大会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2014-10-17 – 2014-10-19

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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