研究課題/領域番号 |
24792213
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
伊原木 聰一郎 岡山大学, 大学病院, 助教 (80549866)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | リンパ管新生 / 血管新生 |
研究概要 |
(1)ANGがリンパ管内皮細胞に与える影響の解析 ANGがrRNA転写を促進するには,核に移行することが必須である.培養リンパ管内皮細胞においてANGが核に集積していることを確認した。リンパ管内皮細胞をANGとVEGF-Cのそれぞれ存在下と非存在下で培養し,増殖能を測定した。ANGとVEGF-Cがリンパ管内皮細胞の増殖を促進することを確認した。 (2)ANGがリンパ浮腫に与える影響の解析 ANGがリンパ浮腫動物モデルに与える影響を検討した.BALB/cマウスの尾基部遠位の表皮を環状に剥ぎ取り,リンパ浮腫動物モデルを作成した.隔日でANGとVEGF-Cを腹腔内注射した.リンパ浮腫の程度は,尾の直径を計測し評価した.2週間後,マウスを屠殺し尾の組織切片を作製した.リンパ管新生は抗VEGFR-3抗体を用いて免疫染色を行い評価した.ANGとVEGF-C併用群では他の群と比較してリンパ管新生が促進され,リンパ浮腫の軽減が認められた。ANG遺伝子を欠損させ,その影響からANGの生理的機能を調べるために,ANG遺伝子のノックアウトマウスを作製した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り研究は遂行されている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)ANGがリンパ管内皮細胞に与える影響の解析 現在、rRNAの転写を調べるために47S pre-rRNAをプローブとしてin situ hybrid法を行う予定としている.リボソーム生合成はNucleolar organizer region(AgNOR)の銀染色を行い評価する予定である.ANGとVEGF-Cの両方が存在している時のみ,リボソーム生合成が促進されていると考えている. (2)ANGがリンパ浮腫に与える影響の解析 ANG遺伝子ノックアウトマウスを用いて上記と動揺にリンパ浮腫動物モデルを作成する.2週間後マウスを屠殺し尾の組織切片を作製する予定である.リンパ管新生は抗VEGFR-3抗体と抗LYVE-1抗体を用いて,血管新生は抗CD31抗体を用いて,それぞれ免疫染色を行い評価する.rRNA転写は47S pre-rRNAをプローブとしてin situ hybrid法を行い調べる.ノックアウトマウスでは,rRNA転写とリンパ管新生が抑制されていると考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画書通り、rRNAの転写やリボソーム生合成を評価するための研究用キット、リンパ浮腫動物モデル組織切片作製や免疫染色を行うための抗体購入に用いる予定である。
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