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2013 年度 実績報告書

AngiogeninのrRNA転写促進作用がリンパ管新生に果たす役割

研究課題

研究課題/領域番号 24792213
研究機関岡山大学

研究代表者

伊原木 聰一郎  岡山大学, 大学病院, 助教 (80549866)

キーワードリンパ管新生 / 血管新生
研究概要

リンパ浮腫はリンパ液の流れの阻害により生じた浮腫である.乳癌,子宮頸癌の治療後の続発性リンパ浮腫は25~30%の患者に発症し,リンパ漏,皮膚潰瘍,蜂窩織炎を合併しQOLを低下させる.新しいリンパ管を形成し,遮断されたリンパ液の流れを再開すれば,リンパ浮腫を制御できる可能性がある.
血管新生因子Angiogenin(ANG)は,血管内皮細胞に作用し血管新生に非常に重要な役割を果たすことが明らかとなっているが,リンパ管新生における役割は未だ明らかとなっていない.ANGによるリンパ管新生の分子機構と,ANGを用いたリンパ浮腫に対する新規治療法の可能性について検討を行った.
リンパ浮腫動物モデルは8週齢オスBALB/cマウスの尾基部から1cm遠位の表皮を2mm環状に剥ぎ取り作製した.ANGとリンパ管新生因子Vascular Endothelial Growth Factor-C(VEGF-C)を単独もしくは混和し腹腔内投与し,尾の直径を計測しリンパ浮腫の程度を検討したところ,ANG群,VEGF-C群,ANG+VEGF-C群では浮腫の軽減を認めた.尾の組織切片を作製後,リンパ管新生は抗LYVE-1抗体を用いて免疫染色を行い評価した.ANG群,VEGF-C群,ANG+VEGF-C群ではリンパ管密度が有意に高く,リンパ管新生が促進されていた.正常ヒト微小リンパ管内皮細胞をANGとVEGF-Cのそれぞれ存在下と非存在下で培養し,増殖能を解析した.ANG群,VEGF-C群ではリンパ管内皮細胞の増殖が促進された.リンパ管内皮細胞におけるANG局在は蛍光抗体染色法で観察した.ANGはリンパ管内皮細胞の核へ集積した.またVEGF-C存在下においても,ANGが核へ移行していた.ANGの促進するリンパ管新生はリンパ浮腫に対する新規治療法になる可能性があると考えられた.

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公開日: 2015-05-28  

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