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2013 年度 実施状況報告書

細胞表面の糖タンパク質を標的とした口腔癌治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24792228
研究機関愛媛大学

研究代表者

石川 詔子  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90444760)

キーワード口腔癌 / ジストログリカン / 糖タンパク質 / LARGE
研究概要

口腔扁平上皮癌培養細胞株である HSC3、HSC4、SAS、唾液腺癌培養細胞株である ACC2、ACCM の全てにおいてDAG1 mRNA は発現していた。タンパク質発現では、全ての細胞株においてβ-DG タンパク質は発現していたが、ラミニン結合型 α-DG タンパク質は低下もしくは欠失していた。これらの結果より、ラミニン結合型 α-DG の発現に関与する糖転移酵素の発現を検索し、これらとの相関について検討した。α-DG が糖鎖修飾を受けるために必要な糖転移酵素として報告されている以下の5種 Protein O-mannosyl-transferase 1 (POMT1),Protein O-linked-mannose beta-1 (2-N-acetylglucosaminyltransferase 1,POMTGnT1),like-glycosyltransferase (LARGE),Beta-1,4-galactosyltransferase 2 (B4GalT2),ST3 beta-galactoside alpha-2,3-sialyltransferase 3 (ST3Gal3) の発現をreal-time quantitative RT-PCR 法で解析した。その結果 POMT1,POMTGnT1,β4GalT2,ST3Gal3 の発現は一定の傾向が得られなかったが,LARGEにおいては対象とした全ての口腔癌培養細胞において有意な発現低下を認めた。これらの結果から、α-DG の糖鎖修飾にはLARGEが関与していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

口腔癌細胞におけるラミニン結合型α-DGの発現と糖転移酵素であるLARGEの発現に一定の相関を見出すことができた。糖タンパク質の機能には糖転移酵素が重要な役割を果たしていることが推測される。

今後の研究の推進方策

ラミニン結合型α-DGの発現にLARGEが直接関与しているかどうかを確認するためには、口腔癌培養細胞にLARGEを強制発現させ、ラミニン結合型α-DGの発現が回復するかどうかを検証する必要がある。
培養細胞だけではなく、臨床検体においても同様の現象がみられるかどうかを検討する。また、他臓器で報告されている腫瘍マーカーの中には、糖タンパク質をターゲットとしたものが多数存在する。口腔癌の進展に伴って上昇もしくは減少するような糖タンパク質もしくは糖転移酵素が特定できれば、診断の一助になると考えられる。

次年度の研究費の使用計画

平成24年11月19日から平成25年12月31日まで産前産後の休暇および育児休業によって研究を中断していたため。
上記休業中に中断していた研究を継続するために必要な試薬・消耗品、および研究成果を発表するための旅費や論文投稿費などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Targeting Id1 reduces proliferation and invasion in aggressive human salivary gland cancer cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Sumida T, Murase R, Onishi-Ishikawa A, McAllister SD, Hamakawa H, Desprez PY.
    • 雑誌名

      BMC Cancer.

      巻: 13 ページ: 141

    • DOI

      10.1186/1471-2407-13-141

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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