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2012 年度 実施状況報告書

経時的データの重ね合わせを可能とする顔面骨格表面形状に基づく空間基準座標系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 24792248
研究種目

若手研究(B)

研究機関北海道医療大学

研究代表者

辻 祥之  北海道医療大学, 歯学部, 助教 (70372878)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード座標系 / 正中矢状平面 / 三次元画像診断 / 外科シミュレーション
研究概要

申請者は顎顔面における奇形,変形および損傷において,三次元的に顎・顔面形態の術前後の診断,成長や治療による解剖学的変化の観察や標準化した患者モデルとの形態学的比較,定量的分析を行うため,空間的基準座標系の設定方法を研究している. 本研究の基になる正中矢状平面設定法では,人体に設けられた任意の基準点(ランドマーク)を用いることなく,人体における表面形状を参考に正中矢状平面を設定する.本年度では12体の三次元患者モデルを対象に表面形状基準法を用いて正中矢状平面の抽出を行い,その際の検者内誤差,検者間誤差,および検者内誤差の対象間変動を評価した.検者内誤差は二面角が0.142±0.091°,法線距離が0.104±0.093 mmであった.検者間誤差の95%信頼区間は,二面角が0.138~0.315°,法線距離が0.018 ~0.084 mmであった.検者内誤差の対象間変動は,最も大きかった二面角の平均値が0.257±0.145°であり,その法線距離の平均値は0.079±0.078 mmであった.最も大きかった法線距離の平均値は0.155±0.073 mmであり,その二面角の平均値は0.198±0.066°であった.これら3つの誤差の大きさから,本研究の正中矢状平面抽出法による正中矢状平面の再現性は高いことが示された.次年度は,空間的基準座標系の再現性を評価する.そのための準備として本年度は,参照点とするセラミックボールを配置した乾燥頭蓋骨を用いたファントムモデルの作製,顎矯正患者の術前術後にみたてた2つの顎位においてCTおよび3Dスキャナからの情報取得,この情報を用いた三次元仮想患者モデルの生成を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究における空間的基準座標系の設定法の基になる表面形状基準法を用いた正中矢状平面の再現性についての報告を日本顎変形症学会雑誌,北海道医療大学歯学会雑誌に投稿,掲載済みである.また本学現有設備にて空間的基準座標系の再現性を検討するため,参照点とするセラミックボールを配置した乾燥頭蓋骨を,顎矯正患者の術前術後にみたてた2つの顎位でCTおよび3Dスキャナからの情報を取得するところまでは既に終了しているため,おおむね順調に進展していると考えている.

今後の研究の推進方策

仮想モデルの空間的基準座標系から参照点の座標値を計測し,空間的基準座標系の誤差からその再現性を検討する.セファログラムや三次元データを用いた基準座標を設定する際にはランドマークを同定する方法が広く用いられており,このランドマークの再現性の評価には95%棄却楕円が信頼できる評価方法とされている.申請者は各参照点の座標値から95%棄却‘楕円球’を求めることで三次元座標値の統計学的処理を行う.

次年度の研究費の使用計画

研究成果発表のため,第58回口腔外科学会総会(福岡),第23回日本顎変形症学会(大阪),第91回IADR(Seattle)における旅費,研究成果報告のため外国語論文の校閲,印刷費,顎顔面骨格三次元CADデータ保管のための記録メディア,接触式三次元測定器(FARO Gage4ft),三次元測定検証ソフトウェア(CAM2 Gage:FARO)およびワークステーションを購入予定である.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 表面形状基準法を用いた頭蓋顔面硬・軟組織の正中矢状平面の抽出と一致度2012

    • 著者名/発表者名
      辻 祥之,上地 潤,北所弘行,溝口 到,柴田考典
    • 雑誌名

      日顎変形誌

      巻: 22 ページ: 200-207

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 表面形状基準法により抽出した顔面正中矢状平面の再現性と妥当性―CT DICOMデータを用いた検討―2012

    • 著者名/発表者名
      辻 祥之,上地 潤,武田成浩、今野正裕,北所弘行,溝口 到,柴田考典
    • 雑誌名

      北医療大歯誌

      巻: 31 ページ: 89-101

    • 査読あり
  • [学会発表] 顔面非対称症例における歯列と顎顔面骨格の空間的位置関係と形態学的特徴2012

    • 著者名/発表者名
      上地 潤,今野正裕,辻 祥之,柴田考典,溝口 到
    • 学会等名
      第22回日本歯科医学会総会
    • 発表場所
      インテックス大阪(大阪)
    • 年月日
      20121109-20121111
  • [学会発表] 骨格重視で考える新しい外科的矯正治療2012

    • 著者名/発表者名
      柴田考典、武田成浩、辻 祥之
    • 学会等名
      第21回OBM研究会
    • 発表場所
      神奈川歯科大学附属横浜クリニック(横浜)
    • 年月日
      20121104-20121104
    • 招待講演
  • [学会発表] 顎変形症における下顎骨形態の対称性に関する三次元評価2012

    • 著者名/発表者名
      武田成浩,上地 潤,辻 祥之,北所弘行,今野正裕,溝口 到,柴田考典
    • 学会等名
      第22回日本顎変形症学会総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡)
    • 年月日
      20120618-20120619
  • [学会発表] 術前矯正治療前に下垂体腫瘍と診断しえた顎変形症患者の一例2012

    • 著者名/発表者名
      辻祥之、柴田考典、北所弘行、武田成浩、有末 眞、山崎敦永、溝口 到
    • 学会等名
      第22回日本顎変形症学会総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡)
    • 年月日
      20120618-20120619
  • [学会発表] 顔面非対称症例における術前矯正治療の三次元評価2012

    • 著者名/発表者名
      今野正裕,上地 潤,辻 祥之,柴田考典,溝口 到
    • 学会等名
      第22回日本顎変形症学会総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡)
    • 年月日
      20120618-20120619
  • [図書] ベーシックテクニック顎変形症の術前歯科矯正治療のすすめ方2012

    • 著者名/発表者名
      飯嶋雅弘、北所弘行、柴田考典、島田 正、末石研二、田口 亮、辻 祥之、中尾 誠、永田賢司、仁木俊雄、根津 浩、水野 均、溝口 到、六車武史、吉田恭彦、吉野成史
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      ヒョーロン・パブリッシャーズ

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公開日: 2014-07-24  

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