本研究では、テロメラーゼ作動性の癌特異的ウィルス製剤(テロメライシン&テロメスキャン)の腺様嚢胞癌に対する効果の基礎研究に基づいて、ウィルスによる癌細胞融解だけでなく、生存した癌細胞に対しても口腔癌の増殖、浸潤転移を制御させる臨床応用を目指した新たな治療戦略の早期開発を目指したものである。平成25年度は生体レベル(in vivo)でのウイルス製剤の機能解析を中心に行った。その結果、in vivoにおいて腫瘍径は35日目に明らかな有意差を認めた。また、Telomescan局注より7日後に背部腫瘍組織にGFPの発現を確認できた。前年度のin vitroの基礎的解析と今年度のin vivoによる解析より、腺様嚢胞癌に対し、TelomelysinならびにTelomescanは効果が期待される標的疾患であり、想定される分子機構を明らかにすることにより、新たな治療戦略、また診断用薬剤となる可能性が示唆された。これらの結果は国内外の学会にて報告し、Oncology Reportに投稿、受理された。Oncol Rep. 2013 Dec;30(6):2659-64
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