ラマン分光法にて、口腔扁平上皮癌のイメージングを行った。測定サンプルは連続切片を作成し、一方をラマン分析に用い、他方をH&E染色して組織形態の確認をした。最初はラマン分析領域をH&E染色像と一致させることが困難であったが、最終的には、200~500ミクロン平方のエリアで、ラマン分析によるイメージングとH&E組織像とを一致させることができた。 ラマン分析によるイメージングは、タンパク質やその構造の分布を半定量的に示したものである。これまでは、免疫組織化学の手法を用いなければ、タンパク質の発現や分布は明らかにならなかったが、ラマン分光法は一度に多くの成分のイメージングが可能であることが示唆された。
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