研究課題
本研究は、ラット臼歯の抜歯窩、口蓋裂モデルビーグルの顎裂部にTCP+リン酸化プルランを埋入した際の治癒過程を評価することを目的とする。平成24年度の研究実績として、ラット臼歯抜歯窩に、TCP+リン酸化プルランを埋入した際の治癒過程を組織定量学的、動物用CT画像にて評価し、対照群、抜歯のみの群、リン酸化プルランのみ埋入した群と比較を行ない、埋入21日頃から、TCP+リン酸化プルラン群のCT値が他の群と比較して高い傾向がある結果が得られた。平成25年度の研究実績として、最も効果的に骨形成を促進する材料を決定するために、マウス頭蓋骨欠損モデルを用いて、TCPと細胞、増殖分化因子を混合し、骨形成の評価を組織定量学的、動物用CT画像にて行ない、最適なTCPの粒径、細胞の条件などの結果を得た。平成26年度の研究実績として、ラット顎裂モデル、ビーグル犬の顎裂モデルの手技の習得を行なった。平成25年度の結果により得られた材料の条件で、埋入実験を行い、現在も進行中である。ラットにおいては、実験動物として12週齢Wistar系雄性ラットを 30 匹用い、歯の移動群( 10 匹)、抜歯+歯の移動群( 10 匹)、抜歯+α-TCP+リン酸化プルラン+歯の移動群( 10 匹)、抜歯+リン酸化プルラン+歯の移動群(10 匹)として、動物用 CT を撮影し、 歯の移動量、歯根吸収、海綿骨梁幅、海綿骨梁距離、海綿骨梁数、骨密度等の組織学的形態計測を行なっている。ビーグル犬においては、実験動物として 12 か月齢雄性ビーグルを4 頭用い、コントロール群(n=2)、α-TCP+ リン酸化プルラン群(n=2)として、顎裂モデルの作製を終了し、α-TCP +リン酸化プルランの埋入、顎裂部レントゲン撮影などを行なっている。屠殺後、動物用 CT を撮影し、 海綿骨梁幅、海綿骨梁距離、海綿骨梁数、骨密度等の組織学的形態計測を行う予定である。
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