研究課題/領域番号 |
24792278
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
東堀 紀尚 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50585221)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 顎顔面 / エピジェネティック / ヒストンメチル化酵素 / SETDB1 |
研究概要 |
エピジェネティックな変化は、発生段階においても緻密な制御を行うと考えられている。しかしながら、顎顔面領域においての詳細なメカニズムは未だ多く、その解明が期待されている。我々は、エピジェネティックな変化の中でもヒストンのメチル化がどのように顎顔面領域の発生に関わっているかを解明するために、ヒストンメチル化酵素であるSETDB1を神経提細胞のみをノックダウンさせるコンディショナルノックアウトマウス(CKO)を用い、その役割について解析を行なっている。 具体的には、Wnt1-Cre(+)/SETDB1fl/wとSETDB1fl/flを掛け合わせ、Wnt1-Cre(+)/SETDB1fl/flの表現形解析を行なっている。このCKOマウスは、胎生致死であり今のところE16.5までは、生存することがわかっているが、致死に至る理由は不明である。また、Wnt1-Cre/SETDB1fl/wも、コントロールマウスに対し早く死ぬことがわかった(3/27が生後半年以内に死亡している)。 CKOの胎生12.5、14.5、16.5を収穫してたところ、顎顔面の大きさはコントロールに対し若干小さい傾向を示している。また、組織切片をみてもサイズの違いが認められ、増殖能に影響を与えていることが示唆される。また、骨芽細胞や軟骨芽細胞の形態、位置以上などは認められなかった。 以上のことより、今後はCKOよりMEFを採取し、細胞増殖、アポトーシスなどの機能について解析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初より、ブリーディングには時間がかかると想定していたにもかかわらず、胎生致死がわかり何らかの表現形が存在することがわかった。また、それらの切片より増殖、アポトーシスに何らかの影響が考えられるところまで研究が進み、概ね順調に進んでいると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
以下の点を重点的に検討する事を予定している。 1.胎生致死の理由。E16.5以上のCKOマウスサンプルを採取し、致死に至る時期の特定を行う。ヘテロCKOマウスも早期に死ぬことが多いため、神経提細胞由来である心臓の異常も考えられるため、そちらについても検討を行う。2.増殖能、アポトーシスについて。免疫組織学的また、CKOマウスのMEFを採取し細胞レベルでの検討も行う。3.遺伝子レベルでの解析。SETDB1のターゲット遺伝子を同定する。DNAチップを行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
免疫組織学的試薬。抗体。ウエスタン用試薬。RNA採取のための試薬。DNAチップおよび委託費。
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