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2012 年度 実施状況報告書

アレルギーで誘導される矯正的歯の移動時の歯根吸収亢進メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24792291
研究種目

若手研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

村田 直久  九州大学, 大学病院, 医員 (70614303)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード歯根吸収 / 矯正的歯の移動 / アレルギー / ロイコトリエン / 破骨細胞 / 骨吸収 / 脂質メディエーター / 骨代謝学
研究概要

歯科矯正治療は、歯槽骨の吸収と添加が適切に行われることにより、歯が移動する。しかし、時に副作用として歯根が吸収される。この歯根吸収は、解決すべき重要な課題であるが未だ原因の解明には至っていない。疫学調査によりアレルギーと歯根吸収との関連が示唆されたことに着目し、本課題ではアレルギー誘導と歯根吸収との関連を動物実験により解明をねらう。
アレルギー疾患モデルとして知られているBrown Norway (BN)ラットに卵白アルブミン(OVA)感作を行い、IgEや炎症などアレルギー惹起の確認を行った。
ラットをOVA感作および上顎第一臼歯(M1)への矯正力負荷群、OVA感作群、矯正力負荷のみの群、無処置群の4群に分けて実験を行い、M1の歯周組織のRNA解析および組織解析を行った。
DNAマイクロアレイによるRNAの網羅的発現解析により、OVA感作および矯正力負荷群では他の群と比較して、RANKL、IL-1、TNF 、IL-17aやIL-23aおよびプロスタグランジン、ケモカインの発現が上昇していた。さらに、炎症性脂質メディエーターであるロイコトリエン(LT)群の発現が上昇していた。
免疫組織染色により、LT合成酵素である5-lipoxygenaseおよびLTB4受容体であるBLT1が歯根膜に発現していることが確認された。今後経時的な発現変化や細胞レベルでのおよび多角的に発現変動を解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現状では、研究は順調に進行し、ほぼ計画通りに成果が得られている。当初は、ラットにおけるアレルギー炎症の確認や、矯正装置であるコイルスプリングの安定的な装着などに時間を要したが、試行錯誤の結果、研究期間内に安定的な方法をみいだすことができた。その結果マイクロアレイの解析もできたことから、今後も順調に成果が得られると考えている。

今後の研究の推進方策

本年度の実験により、ラットへの歯科矯正装置装着や試料採取の手技に熟練した。さらに、効率的な解析のために、骨試料破砕機や、新規のreal-time PCR解析装置も導入し、予備的な実験も完了していることから、今後の研究スピードは上がると考えている。

次年度の研究費の使用計画

研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込額と執行額は多少異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りに計画を進めていく。
研究成果は、国内外の学会にて発表予定であり、その内容は英語論文にまとめ社会に発信する予定であるため、次年度は、研究費を旅費や論文英文校閲、論文投稿にも使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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