研究成果の概要 |
矯正歯科治療により生じる歯根吸収は、その機構が十分に解明されていない。そこで本研究では、アレルギー疾患が矯正的歯の移動時の歯根吸収を亢進させるという仮説を立て、その機構を明らかにすることを目的に動物実験を行った。ラットアレルギー疾患モデルを作製し、上顎第一臼歯(M1)に矯正力を負荷し、24時間後にM1周囲歯槽骨を採集し、タンパク質、RNAおよび脂質抽出を行い発現量を解析した。その結果、破骨細胞分化促進因子である炎症性サイトカイン(IL-1β, IL-6)に加え、Th17細胞関連サイトカインや、アレルギー性炎症を亢進させる脂質メディエーターであるロイコトリエンB4および受容体の発現量が増加した。
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