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2013 年度 実施状況報告書

DTTおよびASLを用いた摂食時における脳内活動ネットワークシステムの探索

研究課題

研究課題/領域番号 24792292
研究機関長崎大学

研究代表者

加美 由紀子  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60552023)

キーワードMRI / ASL
研究概要

前年度は、MRIを用いたArterial Spin Labeling (ASL)の撮像シーケンスや解析方法を検討し、ASLの撮像法であるpseudo-continuous ASL (pCASL)を用いて、非侵襲的にCerebral blood Flow (CBF)を測定するための基礎を築いた。
本年度はこの手法を応用して、味覚刺激前後で耳下腺部の血流動態を測定し、唾液腺の機能と血流動態との関連性を見いだすことで、非侵襲的に唾液腺の機能評価をするための準備・実験を行った。まず、ボランティア2名で、Salivary blood flow (SBF)を測定するためのMRI撮像シーケンスを検討・調整した。唾液腺機能に問題がないサンプルとして、健康な成人ボランティア21名に対し、酸刺激前後で耳下腺部のpCASLデータを取得した。唾液腺機能が正常であることを客観的に検証するため、各ボランティアに対してサクソンテストを行った。さらに、唾液腺機能が低下しているサンプルとして、シェーグレン症候群と診断された16名のボランティアに対し、同様のデータを取得した。得られたデータを解析してSBF mapを取得し、相対的な評価を行った。その結果、唾液腺機能に問題のないサンプルとシェーグレン症候群のサンプルでは、平静時(酸刺激前)のSBFに有意な差が認められた。また、酸刺激後の血流動態のパターンにも有意な差が認められた。
これまで、シェーグレン症候群などの唾液腺機能低下を有する患者に対し、MRIは質的変化の評価には有用であったが、機能評価を行うためには唾液腺造影検査や唾液腺シンチグラフィーなどの侵襲的な検査が主であった。本研究により唾液腺機能が非侵襲的に評価できるようになれば、今後、唾液腺の病態解明や検査に大きく貢献すると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に確立したASLの手法や解析法を応用して、40名程度の被験者のデータを取得・解析することができた。

今後の研究の推進方策

本年度は、一般的に公表されている頭部の血流を測定するためのモデル計算式を利用して相対的な評価を行ったが、これを耳下腺に利用するためには補正に使用する耳下腺のT1値が必要となる。今後は、この耳下腺T1値のデータを取得し、これまでに算出したSBF値を補正する。なお、これらの結果および初年度に行った実験結果をまとめ、論文作成の準備を行う。

次年度の研究費の使用計画

シーケンス調整に必要と考えられたファントムについて、一部既存のものを利用することができたため購入する必要がなくなった。
来年度は、当初計画していたものに加えて解析用のソフトや装置を購入する必要があると思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Arterial Spin Labeling (ASL)を用いたシェーグレン症候群患者の耳下腺血流評価2013

    • 著者名/発表者名
      加美由紀子、角美佐、高木幸則、中村卓
    • 学会等名
      第18回 日本歯科放射線学会臨床画像大会
    • 発表場所
      東京歯科大学水道橋校舎(東京都千代田区)
    • 年月日
      20131101-20131103
  • [学会発表] Arterial Spin Labeling (ASL)を用いた耳下腺機能評価2013

    • 著者名/発表者名
      加美由紀子、角美佐、中村卓
    • 学会等名
      第54回 日本歯科放射線学会学術大会
    • 発表場所
      福岡県立ももち文化センター(福岡県)
    • 年月日
      20130531-20130602

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公開日: 2015-05-28  

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