齲蝕も酸蝕も生活習慣病として予防できるという知見が広まりつつある一方、現在、カリエスリスク診断による恩恵を受けることなく治療が必要な発症のときまで診断を待つという我が国の現状は憂慮すべき事態である。小児期の口腔内で遭遇する再石灰化可能な歯質脱灰層は可逆的であり、これらの現象が非可逆的な疾病として診断される前、すなわち目に見えないうちに、本研究に基づき新たに開発される健全歯面診断用光学機器により、非侵襲的に適正なフッ化物応用の必要性が瞬時に判定されることが低年齢から日常的になれば、「歯科治療」未経験の子どもたちを増加させ、ひいては国民全体の口腔内に健康をもたらすと考えている。
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