咬筋および腓腹筋におけるmiR-1の発現量は、1~12週齢の生後発達過程でどちらも経時的に増加した。特に、咬筋では吸綴から咀嚼へ変化する3週齢前後に大きな変化が認められた。 咬筋において、HDAC4は2週齢において発現していたが、12週齢においては発現していなかった。 HDAC5は2、 12週齢ともに発現していなかった。HDAC7、9は2週齢では発現していなかったが、 12週齢ではわずかに発現していた。 MEF2は12週齢では発現していたが、2週齢では発現していなかった。 Myf5は、12週齢においてはわずかに発現していたが、2週齢では発現していなかった。 MyoD、Myogenin、MRF4、 MCKは2、12週齢ともに発現していたが、発現量は12週齢の方が顕著に大きかった。 腓腹筋において、HDAC4 は2、12週齢ともに発現していたが、HDAC4の発現量は、2週齢の方が顕著に大きかった。 HDAC5は2、 12週齢ともに発現していなかった。 HDAC7、9の発現量は2、12週齢ともに発現していたが、 発現量にほとんど差は認められなかった。 また、すべての骨格筋関連遺伝子で2、12週齢ともに発現していたが、発現量は いずれも12週齢の方がわずかに大きかった。 咬筋におけるmiR-133aの発現量は1~12週齢の生後発達過程で顕著な変化は認められなかった。一方、腓腹筋におけるmiR-133aの発現量は、1~12週齢で経時的に増加した。 SRFは、咬筋および腓腹筋において2、12週齢ともに発現していたが、咬筋では2、12週齢での発現量にほとんど差は認められなかった。一方、腓腹筋におけるSRFの発現量は、2週齢の方が明らかに大きかった。 以上の結果より、咬筋の生後発達過程においては主にmiR-1→HDAC4→MEF2→ MyoD family、MCKの経路のみが機能しているが、腓腹筋の生後発達過程においてはmiR1→HDAC4→MEF2→MyoD family、MCKとmiR-133a→SRFの2つの経路が機能している可能性が示唆された。
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