研究課題/領域番号 |
24792319
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
成冨 雅則 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (50465746)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | モーションキャプチャーシステム / 咀嚼 |
研究概要 |
咀嚼運動時の口唇の動きの計測方法を設定を行った。測定方法を確立するために計測点の設定を行った。口裂線の延長線上で左右口角外側3.0㎜の部位および上赤唇縁の中央切痕の最深点を通り、口裂線に対する垂線上で上赤唇縁から1.5㎜上方、下赤唇縁から1.5㎜下方の4点に設定した。頭部の動きによる変位を補正するため、マーカーを4箇所に取り付けた眼鏡様の装置を被験者に装着することとした。この4個のマーカーで形成される平面をフランクフルト平面と平行になるように調整し、XZ平面とする。このように座標系を統一することにより、変位量をXYZ軸成分に分解し、成分別に比較検討を行うこととした。また、口唇の動きを計測する際の咀嚼運動の設定として、試験食品として市販の咀嚼後に飲み込んで良いガムを用いることとした。咀嚼時における個体差によるばらつきを抑えるために、生理的咀嚼リズムに近い毎秒1.25ストロークのリズムでメトロノームの音に合わせて咀嚼を行う様に指示する。習慣性咀嚼側は、ガムを自由に咀嚼させることにより被験者に認識させ、問診により決定する。計測を行う前にガムを1分間自由咀嚼し十分軟化させた後、習慣性咀嚼側にて1分間の咀嚼運動時の口唇の動き計測するように設定した。 また、倫理申請書の作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
減額に伴い、現在所有しているパソコンを用いて専用ソフトのインストールと、同期撮影に必要なソフトのバージョンアップをおこない、三次元解析を行うことを考え申請を行った。しかしながら、上記のソフトを円滑に作動させるためのデータ処理能力が不足していることがわかった。CPUはDualCoreのものでなければ円滑に作動しないとのことであり、グラフィックボードも搭載する必要がある。また、データを元にバイオフィードバックに用いる3Dアニメーションを作成するためにはLAN端子を増設し、デジタル出力が可能な環境にする必要があることもわかり、現在所有するパソコンでは期待される結果が求めらなかったため前倒し請求を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
正常咬合者における咀嚼運動時の口唇の動きを計測し、解析を行う。①前歯部被蓋が正常 ②著しい叢生、歯列空隙がない ③口唇閉鎖不全がないといった条件を満たす成人正常咬合者ボランティア(15名予定)の咀嚼運動時における口唇閉鎖の動態をモーションキャプチャシステムにより計測する。口唇の移動距離や移動方向、軌跡や速度等を解析し、正常咬合者の口唇の動きを評価し、標準データの作成を行う。摂食・嚥下障害を有する患者における咀嚼運動時の口唇の動きを計測し、解析を行う。①脳血管障害などの原疾患の進行がない ②全身状態が安定しているといった条件を満たす摂食・嚥下障害を有する成人患者を対象とし、咀嚼運動時の口唇閉鎖の動態を計測する(10名予定)。標準データとの比較を行い、各被験者における正常咬合者との差異を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ保存用記憶メディアおよび反射マーカーセットや試験食品などの消耗品の購入を予定している。また、学会に参加し、モーションキャプチャーシステムを用いた研究や、咀嚼演劇脳に関する研究の発表を通じて自身の研究に役立てる。
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