研究課題/領域番号 |
24792322
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石田 雄之 東京医科歯科大学, 国際交流センター, 助教 (00516297)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 歯肉上皮細胞 / 結合組織成長因子 / RNAi |
研究概要 |
まずは、in vitro実験にて用いる歯肉上皮細胞株(GE1)の培養するための準備を行い、GE1細胞培養系を確立した。その後、LIPUS刺激による歯肉上皮培養細胞におけるCTGF誘発を促すため、さまざまな条件を与え各サンプルに対しRT-PCRを用いてCTGF発現量を評価し、LIPUSによる歯肉上皮細胞における効率的なCTGF発現誘導条件を決めた。この結果については、今年度開催される日本歯周病学会に発表予定である。 また、今年度使用するCTGFの発現抑制を行うためsiRNAを用いる予定であるが、その設計について業者を交えて行った。 大きな変更点として、従来のin vivoの実験計画では、上顎臼歯抜歯による歯肉上皮内CTGF発現の上昇を促す実験系を用いる予定であったが、上顎臼歯抜歯による外科的侵襲や咀嚼サイクルの変化などが副次的に起こることから、抜歯モデルが生理的な状態との乖離が大きくなるためモデルとして不適当であると判断し、動物実験系の変更するに至った。 今後の動物実験への応用は、マウス歯周病菌感染モデルを作成し、歯周病菌感染による上皮細胞間結合分子およびCTGFの発現動態を観察することで、その制御機構を解明することとした。歯周病による歯槽骨欠損状態の精査のため、マイクロCTで用いる画像解析ソフトを購入した。 マウス歯周病菌感染モデルの作製であるが、確立された方法はいまだ無く、実験モデルの確立を最初の課題として取り組んだ。さまざまな条件下でmicroCTを用いて歯周病罹患状態について検討を行った結果、マウスにて2週間で歯周病を惹起できる手技を確立できた。 このモデルに関しても、安定したマウス歯周病惹起モデルとして、今後学会にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験系の変更を行ったため、新たな実験系の確立を行う必要があり、実験計画とくらべ動物実験系の研究に遅れが生じた。また、細胞系の実験に関しても、LIPUSの刺激に関して、参考文献から実験系を作成したが、当初はRT‐PCRの結果が安定せず、苦労した。in vitroの実験系に関しては、その原因を追究できたため、現在は安定したCTGF発現を誘導できるようになったが、以上の理由により実験計画に若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究は、1)in vitroの実験系は、歯肉上皮細胞における細胞間接着因子の発現動態を免疫組織化学的手法を用いて観察し、LIPUS刺激を与えた際にどのような変化をきたすか検討する、2)上記実験系において、CTGFとTGFβをそれぞれsiRNAにて発現コントロールを行い、上皮細胞間接着因子の制御にCTGFおよびTGFβが関わっているのかを検討し、そのメカニズムについて詳細に探求する、3)in vivoの実験系では、確立した歯周病感染モデルを用いて、その歯肉上皮における細胞間接着因子の発現動態を、免疫組織化学的に観察する、4)siRNAを上記歯周病感染モデルに応用し、歯肉上皮細胞における細胞間接着因子発現にどのような影響を及ぼすのか検討する、ことを行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度購入予定であったミクロトームは、研究室改修のため購入することができなかった。今年度回収が終了次第購入予定である。それ以外については、今年度の実験計画において、概ね当初の実験計画に近い形で研究費を使用する予定である。 概要としては、in vivoの実験では、各消耗品のほかに、siRNAの設計や購入を、in vitroの実験では、siRNA導入のための方法として近年受け入れられている超音波によるsiRNA導入装置を購入する予定である。、
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