研究概要 |
歯肉上皮細胞株epi 4を用いて正常時(glucose 6 mM)と比較し、高血糖状態(25 mM)ではIL-8, MCP-1, IL-6 mRNA、 IL-8 タンパク産生が有意な差をもって上昇していることが示された。この現象は口腔歯肉上皮で明らかにしたのは初めてであり細菌の感染のない状態でも高血糖であること自体が炎症を惹起している事が示唆された。また、この現象は抗酸化物質であるN-アセチル-L-システイン (NAC)(N-acetylcysteine)によって解消されることも示された。これにより高血糖の効果は酸化ストレスシグナルによる炎症増悪に作用することが示された。さらに、これらのことは他の2つの歯肉上皮のcell lineにおいても再現された。これらのことをH24年第55回秋季歯周病学会学術大会にて発表した。 また、TLR2,4 mRNA発現変化について高血糖状態下(25 mM)ではmRNA発現が有意に上昇していることが確認された。また表面タンパク発現についてもFACS法を用いて確認した結果TLR2について発現が上昇していることが確認された。さらに Western blot法にて経時的な発現変化についても確認した。 以上より当初計画の口腔歯肉上皮における高血糖状態による炎症惹起の可能性の確認とそのメカニズムにTLRが関与していることを明らかにした。
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