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2013 年度 実績報告書

Valsartanが代謝性内毒素誘導性インスリン抵抗性を改善する分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24792328
研究機関広島大学

研究代表者

岩下 未咲  広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (80611326)

キーワード脂肪細胞 / マクロファージ / アンジオテンシンII受容体拮抗薬 / インスリン抵抗性
研究概要

申請者はこれまでに、アンジオテンシンII受容体拮抗薬valsartanがlipopolysaccaride (LPS) 刺激による活性化マクロファージに誘導される脂肪細胞のインスリン抵抗性を改善することを明らかにしていることから、本研究では、valsartanが代謝性内毒素誘導性インスリン抵抗性を改善する分子機序の解明をめざした。
LPS刺激下においてRAW264.7細胞と共培養した3T3-L1脂肪細胞の遺伝子発現にvalsartanが影響を及ぼす遺伝子群の網羅的解析から、LPS刺激によってNuclear factor-kappa B、Thyroid hormone receptor、Activator protein 1が大きく影響を受け、valsartanの添加によりこれらの変化が回復するという結果を得た。また、valsartanはLPS刺激による脂肪細胞のMatrix metalloproteinaseやCaspase、Integrinファミリーの発現誘導を抑制することが明らかとなり、valsartanがマクロファージの浸潤した脂肪組織における遺伝子発現を正常化し、アポトーシスや線維化を抑制する作用がインスリン感受性改善に関与している可能性が示された。
また、マウスにvalsartanを服用させLPS誘導性炎症に対する影響を検討した結果、脂肪組織および肝臓において、valsartanによるLPS誘導性の炎症性サイトカイン遺伝子発現抑制が認められた。
これらの結果から、in vitro、in vivo 双方において、LPSにより活性化されたNF-κBの関連遺伝子群やその下流の炎症性サイトカイン発現に対するvalsartanの抑制効果が明らかとなり、マクロファージ浸潤によるインスリン抵抗性に対しvalsartan投与が有効である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Valsartan restores inflammatory response by macrophages in adipose and hepatic tissues of LPS-infused mice2013

    • 著者名/発表者名
      Misaki Iwashita, Yusuke Nakatsu, Hideyuki Sakoda, Midori Fujishiro, Akifumi Kushiyama, Toshiaki Fukushima, Sonoko Kumamoto, Takanori Shinjo, Hideyuki Kamata, Fusanori Nishimura, Tomoichiro Asano
    • 雑誌名

      adipocyte

      巻: 2 (1) ページ: 28-32

    • DOI

      10.4161/adip.21837

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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