本研究では、Spry2が歯周組織の再生において新しい治療標的となり得るのかどうかについて、骨芽細胞、歯肉上皮細胞、歯根膜細胞を用いて検討を行った。 骨芽細胞では、Spry2を抑制しbFGFとEGFの同時刺激を行うことで、ERKの活性、細胞増殖が亢進するとともに、ALP活性、Runx2の発現が上昇し、骨分化も促進された。歯肉上皮細胞では、骨芽細胞とは逆にERKの活性、および細胞増殖が低下した。その原因としてSpry2の抑制が、EGF受容体のユビキチン化およびプロテアソームでの分解を誘導していることが示唆された。一方、歯根膜細胞においては細胞増殖、細胞遊走が亢進したが、骨分化能は抑制された。
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