次年度の研究費の使用計画 |
炎症惹起因子として,IL-1β, TNF-αなどの歯周病原性の炎症性サイトカインやPorphyromonas gingivalis, Aggregatibacter actinomycetemcomitansなどの歯周病原細菌を濃度を振り分けて行う。また,講座研究室内に糖尿病患者から採取した上記歯周病原細菌の臨床分離株を多数所有しており,標準株での炎症惹起実験での実験を終了後,その結果を対照に比較検討する。 ラット大腿骨に直径1.2mmのナノ構造化チタンインプラント体を埋入する予定であったが,ナノ構造化チタンインプラント体の作製,評価についてすこし困難であるので,現状の計画としては直径5㎜のチタン板の埋入を計画している。埋入後、1、2、4週後屠殺し、固定・包埋後にCryofracture法によりインプラント体を除去する。埋入部位の切片を作製し、チタン金属と骨の界面および周囲新生骨の観察を光学顕微鏡にて行い、オッセオインテグレーションの評価を行う。また、埋入試料周囲組織よりTotal RNAを抽出し、cDNAを作製後、骨組織特異的な遺伝子について発現レベルをリアルタイムPCR解析によって行い、チタン金属周囲再生組織の骨分化の程度を評価する。実験群にはin vitro実験と同様,2型糖尿病モデルラット,対照群にはSprague-Dawley系ラットを使用する。 病理組織学的検索はヘマトキシリン・エオジン染色,PAS染色,トルイジンブルー染色,マッソントリクローム染色,ワンギーソン染色,ならびにTypeI・IIIコラーゲンとマクロファージの免疫染色と酒石酸耐性酸性ホスファターゼ染色を行う。
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