研究概要 |
平成24年度は、福岡県の久山町生活習慣病予防健診で、40歳以上の久山町住民を対象に歯科健診を実施し、2,654人(男性1,191人、女性1,463人)が受診した。 久山町住民の口腔健康状態として、現在歯数、歯周組織状態を評価し、平成23年度の歯科疾患実態調査(全国調査)と比較した。尚、歯周組織状態はCommunity Periodontal Index(CPI)で評価し、CPIコード3以上(歯周ポケット深さ4mm以上を保有)を歯周病と定義した。全国調査のデータと比較すると、久山町住民の59歳以下(1,049人)は、現在歯数や歯周病の有病率は同程度であった。一方、久山町住民の60歳以上(1,605人)では、全国調査のデータと比較すると、現在歯を20歯以上保有している者がやや多く、歯周病の有病率はやや高かった。 口腔健康状態の性差について解析をしたところ、59歳以下の者で、現在歯を20歯以上保有している者は男性で92.6%、女性は96.9%であり、統計学的に有意な差が認められた(p=0.003)。60歳以上において、男性は66.0%、女性は64.3%で男女差はなかった。また、歯周病の有病率は、59歳以下で男性は38.7%で、女性は27.6%で性差が認められ(p < 0.001)、60歳以上で男性は47.5%で、女性は38.6%と年齢に関わらず男女差があった(p < 0.001)。 平成24年度の歯科健診の結果から口腔健康状態には性差が認められた。平成25年度は口腔健康状態と多価不飽和脂肪酸濃度、動脈硬化の評価指標の関係における性差について解析する予定である。
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