32名の被検者からう蝕象牙質を採取し、分子生物学的手法を用いて、う蝕象牙質に存在する細菌叢の網羅的解析を試みた。う蝕象牙質サンプルの細菌構成のクラスター解析を行った結果、Lactobacillus の比率の違いにより大きく3グループ(I、II、III)に分類された。グループIはLactobacillus属が全体の70%を占めるシンプルな細菌構成であった。グループIIIは最も多く存在する菌属がPropionibacterium属やOlsenella属という今までに報告のない日本人特有の細菌構成であり、両菌属の主要な菌種はP. acidifaciensとO. profusaであった。
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