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2012 年度 実施状況報告書

摂食中の唯一の嚥下障害スクリーニング法である頸部聴診法の確立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24792361
研究種目

若手研究(B)

研究機関昭和大学

研究代表者

中道 由香  昭和大学, 歯学部, 助教 (90585621)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード嚥下障害 / 頸部聴診
研究概要

超高齢社会を迎え、摂食・嚥下障害患者に対する医療介入は多様化ならびに多職化し、今や多職種チームアプローチに加え、相互乗り入れチームアプローチが必須のものとなっている。しかしながら、すべての医療従事者があらゆる嚥下障害患者に対して診断ができる非侵襲的なスクリーニング法の普遍的判定基準は未だ整備されていない。
今まで研究者の属する研究機関では、指示に従って呼吸や嚥下が行える健常者や頭頸部腫瘍患者を対象とした、頸部聴診による判定基準を検討した。今回の研究では、指示に従えない嚥下障害患者を対象として、要介護高齢者など全ての嚥下障害患者に適用しうる頸部聴診法の普遍的な判定基準を確立することを目標に、既に確立された従来の方法に従って研究を進めた。
今年度は、嚥下内視鏡検査法に併せて嚥下時産生音を収集し、健常者の嚥下音についての判定基準を検討した。試料嚥下時に産生される嚥下音と嚥下前後の呼吸音を被検者の輪状軟骨直下気管外側皮膚上に設置したマイクロフォンを用いて検出し、透視装置もしくは鼻咽腔ファイバースコープを用いて撮像した嚥下および呼気時の画像とともにDVレコーダ(Sony GV-HD700現有)に同時記録した。研究者は造影剤嚥下時に産生される嚥下音と嚥下前後の呼吸音を被検者の頸部より記録した。次に記録した嚥下造影検査画像を評価し、嚥下障害の程度(食塊保持不全、食塊送り込み不全、鼻腔流入、嚥下反射の遅延、食道入口部の開大不全、誤嚥、喉頭侵入、貯留など)を評価した。そして、嚥下音・呼吸音の聴覚的特徴の判定結果、聴覚的な嚥下障害の診断結果および嚥下造影、嚥下内視鏡画像所見を比較検討し、頸部聴診法の診断基準と判定精度を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在も嚥下音・呼吸音の聴覚的特徴の判定結果、聴覚的な嚥下障害の診断結果および嚥下造影画像・嚥下内視鏡画像所見を比較検討し、頸部聴診法の診断基準と判定精度を検討中である。健常者の試料収集は、指示に従えるため、おおむね研究計画通りに進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成24年度に引き続き、健常者の判定精度を検討していく。次に、指示に従えない嚥下障害患者を対象として嚥下時産生音ならびに嚥下造影画像を同時記録し、嚥下造影画像所見を評価する。そして、嚥下音・呼吸音の聴覚印象検査用サンプルを編集し、歯科医師、言語聴覚士および看護師を検者として嚥下音、呼吸音の聴覚的特徴の判定ならびに聴覚的に嚥下障害の診断を行わせる。嚥下音・呼吸音の聴覚的特徴の判定結果、聴覚的な嚥下障害の診断結果および嚥下造影画像所見を比較検討し、頸部聴診法の普遍的な診断基準ならびにその判定精度を明らかとする予定である。
ただし、指示に従えない嚥下障害患者に関しては、以前予備実験を行ったところ、非常に嚥下音の記録や画像の収集が困難である。判定精度を検討するにあたり、より多くのサンプルを確保することが課題であると考えられる。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に引き続き、健常者と指示に従えない嚥下障害患者を対象として嚥下時産生音ならびに嚥下造影画像を同時記録し、嚥下造影画像所見を評価するため、主に消耗品のへの使用を予定している。そして、頸部聴診法の普遍的な診断基準ならびにその判定精度を明らかとする過程を随時学会発表なども予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高齢者施設における摂食・嚥下障害への対応ー医師ならびに歯科医師会、施設スタッフとの医療連携ー2012

    • 著者名/発表者名
      中道由香
    • 学会等名
      日本老年歯科医学会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      20120622-20120623

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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