本研究では、誤嚥性肺炎と診断された高齢者の口腔内バイオフィルムについて、基礎疾患等を考慮しながらその細菌叢を解析した。10名の研究協力者の口腔内から採取したサンプルを用いて、う蝕関連菌検査、歯周疾患関連菌検査、さらに日和見感染菌検査を行った。9名のサンプルから検出されたFusobacterium nucleatumは歯周病原因菌の一つとして知られているが、プラークや舌苔の形成だけではなくコアグラの形成にも関与していると考えられる。多くの協力者が口腔ケアに関心がなく、Candida sp.などの日和見感染菌も多く検出されていることから口腔ケアの重要性を理解してもらう必要がある。
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