研究課題/領域番号 |
24792370
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
角田 衣理加 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (30585469)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 歯学 / 細菌 / 免疫学 / 微生物 / 蛋白質 |
研究概要 |
自然免疫として病原性微生物の侵入・定着を防ぐことが知られているディフェンシンは、唾液や口腔においても防御機構が報告されている。本研究では、口腔レンサ球菌のヒトベータディフェンシン2低感受性のメカニズムを分子生物学的手法を用いて解明し、なぜヒト口腔にレンサ球菌が優位に常在できるかを新たな視点から解明することを目的とする。 平成24年度は、口腔レンサ球菌であるStreptococcus mutans(S. mutans)、Streptococcus anginosus (S. anginosus)を対象とし、ヒトベータディフェンシン2に対する耐性の有無及びそれぞれの被験菌がヒトベータディフェンシン2を分解できるかどうか検討を行った。 それぞれの被験菌の懸濁液とヒトベータディフェンシン2とプロテアーゼ阻害剤混合物(PI)添加ありとなしを作製し、37℃で嫌気培養した。培養後、反応混合物の希釈物を寒天培地上に塗抹し、37℃で嫌気培養した。また、上清中のヒトベータディフェンシン2濃度をELISAにより測定した。その結果、ヒトベータディフェンシン2にPIが添加されたものの殺菌率はS. mutans とS. anginosusともに PIなしでヒトベータディフェンシン2よりも低かった。ヒトベータディフェンシン2濃度は、PI添加ありとなしで培養後に比較した結果、S. mutansはPI添加ありがPI添加なしよりも低かった。S. anginosusにおいてはPI添加ありなしでほぼ同じであった。 以上の結果から、被験菌と抗菌効果のヒトベータディフェンシン2の吸着量の関係はS. mutansとS. anginosusに対して平行ではないことが示唆された。したがって、S. mutansとS. anginosusはヒトベータディフェンシン2に対する抵抗性の異なるメカニズムが存在する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度は、1)ヒトベータディフェンシン2低感受性口腔レンサ球菌の検索、2)ヒトベータディフェンシン2低感受性口腔レンサ球菌におけるヒトベータディフェンシン2分解活性の局在性の検討、3)ヒトベータディフェンシン2分解酵素の分離精製・質量分析等による同定を実施する予定であった。 本年度はStreptococcus mutans、Streptococcus anginosus type strainを用いて、ヒトベータディフェンシン2低感受性口腔レンサ球菌を見出すため、ヒトベータディフェンシン2の口腔レンサ球菌に対するMinimum Inhibitory Concentration(MIC)の測定を行い、すでにディフェンシン耐性について確認済みである。さらに、ELISA法を用いて、細菌培養によって得られたサンプルから、ヒトベータディフェンシン2分解活性について調査し、培養後に添加時よりもヒトベータディフェンシン2濃度が減少することを確認した。しかし、分解酵素の局在、同定には至っていない。25年度はELISA法により、ヒトベータディフェンシン2分解活性の局在を確認した後、液体クロマトグラフィー、電気泳動などの手法を用いてヒトベータディフェンシン2分解酵素の分離・精製を行い、質量分析やペプチドシークエンスにより、タンパクの同定を行う。続いて、ヒトベータディフェンシン2の分解について分解酵素の同定、遺伝子クローニング、分解活性分析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
25年度は、培養後にヒトベータディフェンシン2濃度に変化が認められた細菌を用いて、ELISA法により、ヒトベータディフェンシン2分解活性を検討する。確認後、ヒトベータディフェンシン2分解活性の局在の確認した後、液体クロマトグラフィー、電気泳動などの手法を用いてヒトベータディフェンシン2分解酵素の分離・精製を行い、質量分析やペプチドシークエンスにより、タンパクの同定を行った後に、 4)ヒトベータディフェンシン2分解タンパクの遺伝子クローニング ヒトベータディフェンシン2分解タンパク遺伝子をクローニングし、分解活性のない大腸菌に遺伝子導入することにより、ヒトベータディフェンシン2分解タンパクの活性を確認する。 5)ヒトベータディフェンシン2分解リコンビナントタンパクの作製と分解活性の確認 ヒトベータディフェンシン2分解リコンビナントタンパクの作製し、ヒトベータディフェンシン2分解活性をELISA法にて確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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