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2013 年度 実績報告書

ヒト口腔細菌叢構成菌の自然免疫応答による選択メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24792370
研究機関鶴見大学

研究代表者

角田 衣理加  鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (30585469)

キーワードStreptococcus mutans / ディフェンシン
研究概要

ディフェンシンは、唾液や口腔においても防御機構が報告されている。本研究では、口腔レンサ球菌のヒトベータディフェンシン2(hBD-2)低感受性のメカニズムを分子生物学的手法を用いて解明し、なぜヒト口腔にレンサ球菌が優位に常在できるかを新たな視点から解明することを目的とする。
平成24年度は、口腔レンサ球菌であるStreptococcus mutans(S. mutans)、Streptococcus anginosus (S. anginosus)を対象とし、hBD-2に対する耐性の有無およびそれぞれの被験菌がhBD-2を分解できるかどうか検討を行った。その結果、S. mutansとS. anginosusはhBD-2に対する抵抗性の異なるメカニズムが存在する可能性が示唆された。
その結果を受け、平成25年度は、S. mutans UA159株を用い、dlt欠失株を作製した。dlt遺伝子は、細菌の細胞膜表面の電気的チャージをプラスに傾かせることにより、hBD-2が細胞膜表面に付着し、細胞膜にポア形成することを阻止し、hBD-2に対する抵抗性を発揮するとされている。そこで、今回作製したdlt遺伝子欠損株を用いて、hBD-2に対する感受性試験を行った。wild株に比べ、濃度依存的にやや感受性が高まる傾向が認められた。以上のことから、S. mutansはhBD-2に対する耐性を獲得しており、その機能の一部をdlt遺伝子の細胞膜電位の陽チャージ転換が担っている可能性が示された。また、細胞膜の変異があるため、う蝕にかかわる付着性についての変化があると考え、上記2株の付着性試験を実施した。その結果、wild株に比べ、水溶性グルカンが多く、強付着非水溶性グルカンが少ないことが示された。このことから、dlt遺伝子は、S. mutansにおいて歯面付着というう蝕原性を発揮するための第1段階に大きく関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 社交不安障害と口臭症2013

    • 著者名/発表者名
      八島章博, 福永裕子, 岡本真理子, 鴨井美帆, 園田華子, 中川幸香, 角田衣理加, 西岡千賀子, 湯浅茂平, 渡貫圭, 山本健, 前田伸子, 中川洋一
    • 雑誌名

      日本口臭学会会誌

      巻: 4 ページ: 9-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Correlation between health-care costs and salivary tests.2013

    • 著者名/発表者名
      Kakuta E, Nomura Y, Naono Y, Koresawa K, Shimizu K, Hanada N.
    • 雑誌名

      Int Dent J.

      巻: 63 ページ: 249-253

    • DOI

      10.1111/idj.12040.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Streptococcus anginosus選択培地開発における抗菌剤の検討2013

    • 著者名/発表者名
      野村 義明, 福田 雄, 角田 衣理加, 村田 貴俊, 大塚 良子, 今井 奬, 花田 信弘
    • 雑誌名

      BACTERIAL ADHERENCE & BIOFILM

      巻: 26 ページ: 89-92

    • 査読あり
  • [学会発表] 唾液中細菌検査および血漿抗体価検査によるSPT期進行の予知判定2013

    • 著者名/発表者名
      角田 衣理加、中川 種昭、両角 俊哉、野村 義明、川浪 雅光 、高橋 慶壮、佐藤 聡、齋藤 淳、 三邉 正人、小方 頼昌、和泉 雄一 、伊藤 公一、沼部 幸博、吉成 伸夫、野口 俊英、梅田 誠、西村 英紀、原 宜興、野口 和行、花田 信弘、高柴 正悟、吉江 弘正
    • 学会等名
      第56回秋季日本歯周病学会学術大会
    • 発表場所
      前橋市民文化会館(群馬県)
    • 年月日
      20130922-20130922
  • [学会発表] Human Beta Defensin-2 adsorption and antimicrobial effects against oral streptococci.2013

    • 著者名/発表者名
      Erika Kakuta, Yoshiaki Nomura, Takatoshi Murata, Susumu Imai, Nobuhiro Hanada
    • 学会等名
      The Annual Meeting of the IADR Continental European Division
    • 発表場所
      Palazzo dei Congressi(イタリア)
    • 年月日
      20130904-20130907
  • [学会発表] ムタナーゼとデキストラナーゼからなるキメラ酵素によるバイオフィルムの分解2013

    • 著者名/発表者名
      大塚 良子, 角田 衣理加, 野村 義明, 今井 奬, 津守 秀明, 桃井 保子, 花田 信弘
    • 学会等名
      第77回鶴見大学歯学会例会
    • 発表場所
      鶴見大学会館(神奈川県)
    • 年月日
      20130629-20130629
  • [学会発表] 口腔の健康に関する微生物学的エンドポイントの再考2013

    • 著者名/発表者名
      武内 博朗, 村田 貴俊, 角田 衣理加, 野村 義明, 泉福 英信, 花田 信弘
    • 学会等名
      第62回日本口腔衛生学会
    • 発表場所
      キッセイ文化ホール(長野県)
    • 年月日
      20130515-20130517

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公開日: 2015-05-28  

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