研究課題/領域番号 |
24792386
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西澤 知江 金沢大学, 保健学系, 助教 (50579597)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 看護教育 |
研究概要 |
本研究は、褥瘡管理における医療チームリーダーである皮膚・排泄ケア認定看護師の褥瘡管理体制を組織化する上で必要な資質を育成すると共に、褥瘡管理活動を支えるストレス対処能力を強化する教育プログラムを開発することである。平成24年度は、教育プログラムの開発を行った。プログラムコンテンツは、インストラクショナルデザイン(ID)に基づき①ニーズ調査、②初期分析、③設計、④開発、⑤実装/実施、⑥評価の、6つの手順にて進めている。 1.皮膚・排泄ケア認定看護師の褥瘡管理体制を組織化する上で必要な資質の育成に関するコンテンツについては、先行研究で開発した調整力尺度の臨床適用の可否、臨床的意義について、専門家のスーパーバイズを受け、再検討した上で、項目精選を行った(①、②に該当)。また、調整力の発揮方法について、先行研究で明らかになった概念図を学習者が理解しやすい図に改善した(③に該当)。 2.褥瘡管理活動を支えるストレス対処能力を強化するコンテンツについては、皮膚・排泄ケア認定看護師のストレスの実態を明らかにするため、先行研究で行ったインタビューデータの2次解析から、皮膚・排泄ケア認定看護師のストレスを分類し、皮膚・排泄ケア認定看護師である研究者のエキスパートオピニオンを得て、修正を行った(①、②に該当)。分析の結果、明らかとなった皮膚・排泄ケア認定看護師のストレスの実態を踏まえ、Kawaiらが開発したストレスマネジメントプログラムの追加、修正を行った(③に該当)。一方で、Kawaiらが開発した既存のストレスマネジメントプログラムがどの程度、適用可能かについて検討するため、皮膚・排泄ケア認定看護師である研究者のエキスパートオピニオンを得ると共に、1施設に所属する10名の認定看護師を対象にプログラムに関する使用感についてアンケート調査を行い、プログラムの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成24年度は、インストラクショナルデザインに基づき、①ニーズ調査、②初期分析、③設計、④開発、⑤実装/実施、⑥評価まで行うことが目標であった。現在の進捗状況としては、③設計の段階であり、達成度は当初の計画の50%である。予定通り進まなかった理由としては、第1に有識者とのプログラム内容の検討会議の頻度が少なく、予定より時間を要した。第2にKawaiらが開発したストレスマネジメントプログラムの有効性について、皮膚・排泄ケア認定看護師である研究者のエキスパートオピニオンを得た結果、現状のコンテンツでは、臨床適用は難しいという判断であった。そのため、プログラムコンテンツの大幅な変更を検討する必要があったためである。
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今後の研究の推進方策 |
皮膚・排泄ケア認定看護師である研究者とのプログラム内容の検討会議の頻度が少なく、予定より時間を要したことに関する対応策として、皮膚・排泄ケア認定看護師である研究者と連絡を密にとることである。メール等のやりとりだけでなく、直接出向き、face to faceの打合せを行う。また、検討事項を整理し、1回で行う打合せの内容を充実させる。 プログラムコンテンツの大幅な変更を検討する必要があったことに関する対応策として、ストレスマネジメントプログラム開発者である河合先生と十分な検討を行うとともに、皮膚・排泄ケア認定看護師である研究者の意見を踏まえ改善する。さらには、皮膚・排泄ケア認定看護師を対象としたプレテストを重ね、臨床適用可能な内容に改善する。皮膚・排泄ケア認定看護師が多く参加する学術集会を利用して、依頼を行い、プレテスト参加者を募り、6月までには、プログラムの開発段階まで到達する。実装には、システム構築のための有識者が必要であるため、4、5月中にソフトウェア開発を専門とする企業に委託する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度では、⑤実装/実施、⑥評価まで到達しなかったため、その分の予算を次年度の費用として利用する。具体的には、ソフトウェア開発を専門とする企業に委託する際の委託費用(構築、管理費)である。また、皮膚・排泄ケア認定看護師である研究者やストレスマネジメントプログラム開発者である河合先生との打合せのための出張費、会議費に計上する。さらに、プログラムの臨床適用可能性を検討するための皮膚・排泄ケア認定看護師を対象としたプレテストに要する調査費用としても利用する。
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