研究課題/領域番号 |
24792395
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉永 砂織 宮崎大学, 医学部, 助教 (50560596)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 筋電図 / 画像解析 / 看護技術 / 身体活動評価 |
研究概要 |
背部筋電位を画像化するため、簡便かつ非侵襲無観血に実行できる筋電位トポグラフィの確立に取り組んだ。まず本研究の課題である、多チャンネル同時測定に伴う肩甲帯筋群および腰背筋群における電極配置について検討した。国際式10-20電極法を参考に配置図を作成し、さらに電極の一部を改良した。また、身体負荷による筋への影響を検討するたことから、負荷についてこれまでの文献を参考に検討した。初期段階として、単純な繰り返し運動を肩部と腰部に負荷した。 肩甲帯筋群においては、10名の被験者について測定した。一部の被験者において身体負荷に伴う特異的な筋電位を導出することができた。さらに得られたデータを現有する脳波計、脳波処理ソフトを活用することにより特異的な電位を分布や大きさとして色彩変化で画像化することができた(背部筋電位トポグラフィ)。また、詳細な画像解析により身体負荷に伴う筋への影響についての基礎データを得た。これらの筋電位変化は被験者間で異なっていたことから、今後の被験者選定および被験者の背景が筋電位に及ぼす影響を検討していく為の参考になった。また、筋電図測定と同時に身体負荷に伴う自覚症状の聞き取りを行い、特異的な筋電位の出現部位との相関についても検討することにより、今後の主観的評価を実施するための参考資料となった。 腰背筋群については、肩甲帯筋群の応用として測定および記録条件の影響等を検討し、今後の技術の実験的改良の基礎データを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、筋電位トポグラフィの確立を到達目標として取り組み、測定部位である肩甲帯筋群については、おおむね安定的な測定が可能となってきているが、腰背筋群については、更なる検討を必要としている為。
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今後の研究の推進方策 |
腰背筋群における筋電位のトポグラム化を継続していく。新たに身体移動援助に伴う看護動作を解析し、典型的行動系に伴う身体負荷を検討する。さらに筋電位トポグラムの説明性を向上させるため、3D模擬身体の作成を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該助成金が生じた状況として、本年度は妊娠・出産に伴い、研究が一時的に中断しており、必要物品等の環境整備を含め学会発表等の遂行がやや困難となり、未使用金が生じた。 次年度は、動作解析として、デジタルビデオカメラ一式および、画像の3D化として印刷・解析をおこなうため、写真用インジェクトプリンタおよび印刷紙一式として使用する。また、成果発表のため、学会参加の旅費および外国語論文校閲の費用として使用する。さらに技術の実験的改良のため電極一式として使用する。
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