肘窩における刺入部位の安全領域について明らかにすることを目的に、超音波診断装置を用いて、肘窩の解剖学的検索を行った結果をここに報告する。 研究者が所属する倫理審査委員会での承認を得た。肘窩の解剖学的検索では、対象60名(男性30名、女性30名)、平均年齢22.6(±7.5)歳、平均BMIは21.3(±2.6)であった。上腕骨の内側上顆と外側上顆を結ぶ、Huter線を基準線とし測定を行い、その結果、上腕静脈と上腕動脈の位置関係が、大きく8の分類に分けられた。肘窩での採血・注射においては、個別性を考慮したより慎重な血管選定と、視診触診による穿刺前の血管走行の観察が重要であるといえる。
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